地球上の生命は、RNAウイルスから始まったという。

今も地球上で一番数の多い生きものだ。

いわば、地球の主とも言える。

 

自己複製していくものを生命と呼ぶなら、

ウイルスは立派な生きもの。

この地球上で、ウイルスは細胞生物よりも数も種類も多い。

全ての細胞生物には、その種固有のウイルスが共生している。

地球の主である。

 

生物の進化は、遺伝子の進化であるが、

RNAウイルスの住処は遺伝子である。

すべての生きものの進化は、RNAウイルスが関係している。

というよりも、

進化の原動力がRNAウイルスという。

地球の主だから当然。

 

RANウイルスのゲノムの多様性は、

細胞生物よりも圧倒的に多い。

細胞生物は、その恩恵にあずかっている。

 

進化は、遺伝子の進化だが、

親から子へと伝わる変化では遅すぎる。

環境の急激な変化に適応できない。

地球の歴史は急激な大変化に満ちている。

 

進化の仕組みの、もっとも重要な要素が、

ウイルスとの共生的進化であるという。

細胞生物の遺伝子と共生しているRNAウイルスだから可能となる。

パンデミックやエピデミック。

 

人の遺伝子の中には、20万3000個の

ウイルスの遺伝子が挿入されているという。

「ヒト内在性レトロウイルス」という。

これらは、約50のファミリーとなり、

各ファミリーは200を超えるグループに分けられ、

それぞれが、人体への侵入ウイルスだという。

 

人の進化が急激に起こっている原因に、

これらの遺伝子が活躍しているようだ。

 

侵入したウイルスによる遺伝子と、

ウイルスの宿主であるヒトの遺伝子の

進化的相互作用が、人の進化に大きな柱だという。

 

ヒトはウイルスにお陰で、今に至っているようだ。

下記の本を参考にして書いた。

「ウイルスと共生する世界」フランク・ライアン著 2021年11月