人の心や精神は成長しない、と昨日書いた。

 

こころや精神は、もともと生活の便宜から作られた概念だから、

当然な帰結ではあるが。

 

長い人生で、人の経験は集積する。

経験の積み重ねが意識となる。

 

こころの成長はないけど、

人生経験を経て、人はある境地に達するのだと思う。

死をよいもの、いい体験、好ましいものと納得する境地だ。

 

今朝の朝日新聞「患者を生きる」。

32歳のみどりさんの死が書いてある。

呼吸が止まったとき、みどりさんの目から涙がこぼれたという。

喜びの涙だと、私は思う。

といえば、言い過ぎだろう。

別れの悲しみ。

人の一生は、このように終わる。

満ち足りていたと思う。

 

そして、意識がなくなれば、死も消える。

いい臨死体験があるかもしれないが。

 

生きものであることは、そういうこと。