記憶力というのは、おもしろい。

 

幼児(5歳くらい)の記憶力はすざましいと言われている。

体験したことのほぼ全てを脳に記銘できるようだ。

ただし、その全てを想起できるかどうかは、別の問題。

つまり、想起する手順をつくらないと思い出せない。

 

脳に記憶されるが、きちんと整理されている訳ではないからだ。

整理する方法を身につけないと想起できない。

 

例えば、音楽家の家に生まれて幼い頃から音楽に親しむ。

音楽のすべてが脳に記憶される。

もし、想起したければ、楽器を使えばいい。

ピアノから音になるので、想起は簡単。

そのように想起の方法を身につけないといけない。

 

5歳くらいで、すでに基礎的な古典をすべて暗記する子もいる。

清末期の曽国藩なども、そのひとり。

神童と言われる子は、だいたい、皆同じ。

 

私は神童ではない、

過保護で育ち、毎日、家で祖母と一緒。

幼稚園に行くにも、祖母と一緒。

園の中でも、祖母が近くにいて、

昼食も一緒に食べて、休み時間も一緒。

家では時々、本を読んでくれた。

同じ本を読むので、

私は皆、暗記したようだ。

意味は分からずに。

 

中学から中間・期末の定期試験がある。

私は一夜漬けが得意。

歴史や社会の教科書は、試験範囲くらいは1~2回で覚えた。

明くる日の試験時間になると、

ページをそのまま思い出す。

つまり、画像で記憶できる。

 

私の友人などは、

英語の単語は、一度聞いたら覚える。

と豪語するやつもいた。

私は英語は苦手。

単語を覚えるのは、何度も繰り返さないとできない。

 

記憶力は、人により個性がはげしい。

また、数字などの教科も人によって感性の違いが激しい。

私は数学が好きで、いつも教科書は簡単すぎた。

教師のおしゃべりも退屈。

私の場合、70過ぎても、まだ数学をやっている。

数学脳があるのだと思う。

 

(人の意識はどのように生まれるのか、シリーズ11)

 

 

つづく