人が生きるとは、簡単に言えば、
遺伝と環境の相互作用で、自己を表現していくこと。
言い換えれば、自己実現。
自己表現は、
出世やスポーツや学芸などいろいろ。
人は意識があるから、自己をいくらか知りえる。
あくまで表面的で、深いところまでは分からないが。
例えば、出世の場合。
能力を発揮して自己表現となる。
宗教では人々の悩みを救い。
政治では、社会の福利を向上する。
名誉や尊敬も得て、我欲の満足も勝ち得る。
お山の大将となれば、様々な特権もある。
昔から日本では、自己表現といえば、和歌や詩。
貴族や天皇も嗜好した。
宴や儀式や催しの趣向の中心。
音楽や劇(能や狂言など)などと共に。
雅、優美、上品、洗練された感覚と知性。
大岡信著「みち草」によれば、
新古今和歌集は特に、無常観が色濃い。
仏教の影響もあり、この世のはかなさが広く認識される。
人生は春の夜の夢。
この認識は、芭蕉の俳句にもつながる。
芭蕉は禅に親しんでいた。
自己表現となると、その多くは、
自己の人生観や哲学の表現となるようだ。
つづく