人は誕生以来、肉体的に成熟していく、

そして老化と死。

 

人の成長とは、肉体だけだろうか。

経験が増えると、問題解決能力が高まる。

それを成長と言えるだろうか。

 

しかし、未経験の新事態では、

過去の情報は当てにならない。

その時は、若者も老人も同じように迷う。

 

人の成長とは何だろう。

人間性や人格というような頼りにならない概念では、

説明できないだろう。

 

そもそも、人は成長するのだろうか。

老人となれば、相当に優れた能力があるはずだが、

そういう人を、私は知らない。

 

老人を大事にしなくてはいけないのは、

弱者だから。

役に立たない弱者。

自立できない弱者。

それはないと、私は思う。

 

私の市で、65歳以上の老人へのアンケート(2020年度)がある。

2000名の無作為抽出で75%の有効回答。

かなり詳しい健康実態調査。

 

その結果、約80%の老人が、日常生活で自立している。

だいたい健康に暮らしている。

 

85歳以上の男性の場合、

自動車を自分で運転している人が、41.5%もいる。

趣味などの活動にも、

70代では男性の20%、女性の30%が参加している。

 

老人が弱者というのは、当たらないと思う。

 

社会の弱者と言えば、

子どもたちがいる。

しかし、子どもたちは次世代の主役。

社会維持のため特別に配慮されるのは当然だ。

 

障害者はどうだろう。

障害者は、社会を明るくする能力がある。

多様性や特殊能力。

健常者以上に社会奉仕している。

その能力開発に、特別な配慮が必要だ。

 

社会の弱者は、病人だけだろう。

自力ではどうにもできない人たち。

依存症などが含まれる。

 

老人は、能力があるから、

まだまだ社会奉仕ができる。

隠居したり、引きこもりになったり、

努力放棄したり、刹那的な生き方になったり、

それでは若者の手本になれない。

 

昔の地域社会で、

老人の役割は、子どもたちや若者たちへの指導にあった。

人生経験を活かして、教育する役割。

大学や高校の先生と重なる任務となるが。

大人社会へのスーパーバイザーも責務の一つだった。

 

つづく