なぜ、老人を敬う必要があるのだろうか。

 

経験豊富で、賢い知恵があるから、

精神性や人間性に優れているから。

本当だろうか。

 

一般に、経験は、当事者でなくては分からない事柄が多くて、

人に伝えるのは難しい。

文字で残せる経験や知恵では、年寄りは要らない。

本などのメディアがあればいい。

職人が伝える技や秘伝は滅亡危惧種だろう。

 

これからの教育、知識を伝えるだけの専門職は不要となるだろう。

 

老人が精神性や人間性に優れている。という事実はない。

私の知っている範囲で、そういう老人はいない。

むしろ、老人には、努力放棄が目立つ。

若者以上に、老人は刹那的。

将来を考える老人は少ない。

 

人も含めて動物は皆、同じだが、

意識は外界認知から始まる。

 

人の場合は、それに加えて、

感情や思い(抽象的思考も含む)がある。

多様なイメージや未来のシミュレーションもある。

 

精神性とは何だろう。

こころとは何だろう。

 

こころは、人の内面のこと。

しかし、人が自分の心を見て、分かりえる範囲は限られる。

分からない領域の方が広い。

だからこそ、いじめや離婚や家庭不和が起こる。

 

精神とは何だろう。

辞書によれば、

物質や肉体に対する語で、

認識や思考などの人の心的能力をあらわす。

心と同じ意味だが、心が人の内面を示し、

精神は高次の働きをいう。

理性や理念や意志や愛などの主体となる概念。

超個人的な世界秩序の原理や普遍的性質を持つ意味(魂など)にも使われる。

 

精神は実体としてあるのではなく、全身と脳の働きとして、

考えるのが今の主流だろう。

従って、研究対象としては、意志や意欲が対象となる。

 

老人に高い精神性や人間性があると

思う人も少ないと思う。

 

つづく