私の年代になると、

自伝を書く人が多くなる。

生きてきた記録を残しておきたいのだろう。

 

私の知り合いにも、自伝を書いた人がいる。

ぶ厚い本。実に詳しい記録。

その時代と環境がありありと伝わる記録。

読む人は、詳細な情報を手に入れるだろう。

しかし、有意味な情報があるだろうか。

私は疑問に思う。

図書館で資料の一つになるのだろう。

 

私は詳細な記録を残したいと思わない。

特別に貴重な体験をしてきたのなら、

残すのが責務だと感じるが。

私の体験は、ごく普通のものだ。

 

鹿児島時代、私の青春について、

最近、思い出すことが多い。

 

住んでいた家など、

おぼろに思い出すのだが。

細部まで映像にできない。

過ぎ去った日々が遠すぎる。

 

その頃の友人たち、

印象は残っているが。

もはや、再会は叶わないだろう。

私に、そんな元気がない。

 

原田徹君について、よく思う。

もっと話を聞いてやればよかったと。

あの頃、こころの病について無知だった。

もっと共感してやれたら。

別のみちもあったかもしれない。と

 

青春時代。精神的な悩みを抱えた、

多くの友人に出会っている。

私は、自分のことで精一杯。

冷たく対応したような気がする。

 

青春の思い出は苦いものが多い。