人生も、あと、10年だと思えば、

気楽なような、名残惜しいような。

 

此の世は、確かに、生きるに値する刺激がある。

喜びやいいことがいっぱい。

そう感じない人も多いが。

 

72年生きてきて、便利になったものだ。

人と口をきかなくても、大体のことができる。

一人でも、なんとかやっていける。

社会など、いらないかもしれない。

勿論、国も。

 

世の中には、山頂に立つだけで幸せという方もいる。

仮想空間で登山やハングライダーなどの醍醐味が生々しく体験できる。

誰もが山頂に立てる世になった。

バーチャルと現実の違いは、生死をかけるスリルの有無。

このスリルは、死を超える。

人である限り、死すべき運命は平等。

 

100歳まで生きたいという人がいる。

私は、そう思わないが。

長く生きたいというのは、

此の世がだんだんと良くなると思っているのだろう。

少しづつ快適な社会になっていく、と。

 

私の経験で云えば、

此の世は良くはならない。

問題が複雑になり、対処不能の課題が増えるだけ。と感じる。

未来の人類にあわれみを感じる。

 

現在、人の寿命は、長くて100年。

人生最大の課題が愛だとしても、

ひとりを愛することさえ、たぶん100年でもできないだろう。

何故なら、自分も相手も理解できないから。

 

しかし、願いや信念や観念に生きるのなら、永遠もありえるかもしれない。

観念は汚れることもないから。

 

お金や権力や名誉に捧げる人生もいいかもしれない。

しかし、ゴールがないのが問題。

どこかで止めなくてはいけなくなる。

そこが大変。

未練や心残りがどうしようもない。

 

私の人生、そういう目標はない。

いつでも、リタイアできる。

老化で心身のエネルギーが衰え。

日々、社会から遠ざかりゆく。

平行して、未練も消えていく。