「ナラタージュ」島本理生著を読み終わる。
今年の直木賞受賞作「ファーストラブ」よりも良いと感じた。
ナラタージュの登場人物は、
前回の私のブログで書いた、苦しさを出さない人が多い。
自殺した高校生の塚本柚子さん。
苦しみを押し殺して、いつも明るく快活。
そして、突然の自殺。
自殺する人は、事前の察知が難しい。
作中の教師(葉山先生)はいくらか気づいて、
フォローしていながらも、止めることができなかった。
奥さんと恋人(教え子)の間で煩悶する教師。
いくら事情があっても、どちらかを選ばないといけない。
小説の最後、私には説明が足りないと思う。
女は、生涯に一つと感じた愛を忘れることができないらしい。
男も同じだろうか。
それとも、数年も経てば、新しい愛で、上書きが可能なのか。
男と女の運命的愛を描いている。
主人公たちは大学生。
これからの人生は長い。
運命がいくつも訪れるだろう。