人の幸せ、とは何だろう。

 

若い頃は、まだ世界がわからない。

自分についても、見えない。

まあ、盲目の手探り。

 

恋人探しも、めくらめっぽう。

職探しも、出たとこ勝負。

 

いろいろと我慢して、学んで、

やっと、成果が現れる。

何かを達成すると、幸せがついてくる。

しかし、次の山が来る。

達成はいつも一時的。

 

快楽も同様。

どんな楽しみも長続きしない。

依存症でもなったら、快楽は苦痛に変わる。

 

結婚、子どもの誕生、喜びは束の間。

成長すれば、心配ごとが増えていく。

子どもの未来は制御できない。

 

昇進し、上に立てば、責任の重さで無理するようになる。

背伸びするのが普通の人。

そして追い越されるのを恐れる。

 

ただし、いつまでも下では、おもしろくない。

自尊心を保てない。

 

幸せは、

家庭、友人、仕事、収入、生きがい、余暇などがバランス良いこと。

そして、ほどほどのゆとり(時間)。

人は、多様な体験なくては賢くなれない。

何よりも、誠実であり、学び続ける謙虚さ。

世の中に美しいもの、価値あるものは満ちている。

人が捨てるようなもの、こと、関係に、大きな意味がある。

世渡りが上手になると、それが見えなくなるが。

 

幸せになるのは、誰でもできる簡単なこと。

 

特に、老人に幸せはふさわしい。

老人だから、お金はいらない。

時間はたっぷりだから、楽しみや生きがいは履いて捨てるほど。

 

地域社会で、70歳以上の老人がますます増加。

今でも4人に一人が70歳以上のところも。

だいたい、半数以上が健康で、何でもできる。

 

お年寄りは暇なので、一日中好きなことが。

朝早くから、散歩や草野球。

集会所やカフェに集まって、おしゃべり。

政治談議が面白い。

ゲームもいろいろある。

マージャンの人気が高い。

 

夕方ともなれば、

どこそこの家に集まって、料理と宴会。

 

まあ、一日中がピクニックのようなもの。

近くの温泉にも、たびたび集団で。

 

時に皆で相談して、

学校の手伝い。

無料の塾や、現役時代の技を教える。

要するにボランティア。

ボランティアも老人の生きがい。

 

親が育児放棄しても、

老人たちが親の代わり。

どこそこの家は、今日も、子どもが数人、泊まりに来ている。

 

子どもたちもお年寄りの方が、

真剣に相手になってくれるから、うれしい。

良い師匠を見つけて、

学校に行かない子も増えるだろう。

 

理想を云えば、

お気に入りの楽器を持ち寄り、

週1回コンサートができれば、最高。