昨日、ネットを見ていたら、

恒成和子さんが5月30日に亡くなっていた。

享年89歳。

私が尊敬する先輩の一人。

 

人間選書136(1989年発行)に

「なんでアムネスティ?」恒成さん著がある。

何度読んでも啓発される本。

 

人のため、世のため、日本のため、美しい国のため。

そういう言葉は、限りなくウソくさい。

 

スーパーボランティアの彼の人は、

自分の楽しみで勝手にやっているだけと謙遜する。

本当の気持ちが出ている。

 

世の中、困っている人を助けたい、という善意や善行があふれている。

政府のお役人はすべてがこのたぐい。

国民の福利向上のために日夜懸命に働いている。

半分以上がウソくさい。

助けられることは知れている。

どうせ途中で投げ出すだろうに。

 

世間が、慈善やボランティアに魅力を感じないのは、

偽善の匂いがするからだろう。

 

今の時代、

ウソも方便、正直も方便。

「嘘つきの頭に神宿る」という世相。

 

「この世に、核戦争を起こしてまで守らなくてはいけない価値があるか?」

という問いかけに対して。

「イノチを捧げても守るべきもの」と返せば。

 

三島由紀夫さんなら、

「生命尊重のみで魂は死んでもいいのか。生命尊重以上の価値、

それは、自由でも民主主義でもない、日本だ。

我々の愛する歴史と伝統の国、日本だ。

これを骨抜きにした憲法に体をぶつけて死ぬやつはいないのか!」

と叫ぶだろう。

 

美しい日本、憲法改正。

うさんくさい理想だ。

 

三島さんや安倍さんは、たぶん、

英雄になりたいのだろう。

 

普通の庶民というのは、

英雄になるのを拒否する人々だと、私は思う。

ただただ、平々凡々に人生を全うできれば、それで満足。

美しい日本など、どうでもいい。

世界平和というような大望は抱かない。

小さな幸せで充分なのだ。