人類(ホモサピエンス)の祖先は、数百万年の間、
血縁による小集団で生き延びてきた。
10名から数十名の集団。
対人関係の複雑さから頭脳が進化。
個体で暮らすよりも、
集団で生きる方が生存の確率が高まる。
(ヒトよりも身体能力が優れた動物は多い)
子育ては片親だけでは難しい。
両親でも難しい。
多くの大人が子どもたちを守る必要がある。
(ゾウやライオンでも同様)
即ち、共同体の中で生きるのが
ヒトの運命。
(孤立しては生きていけない)
共同体の中で、いかに生きるのか。
これが人に与えられた人生のテーマ。
共同体は、成員がみんなで支え合い、助け合い、
互いの自由を実現していく場。
これが、共同体の本質であると。
小川仁志は「ヘーゲルを総理大臣に」で書いている。
私も同感だ。
成員の中には、共同体になじめない人もいる。
そういう人は、共同体から出ていくしかないだろう。
あるいは、暴力や策略で、
共同体が乗っ取られることもある。
内部分裂や争いが起こり、
共同体が滅びることもある。
ローマ帝国をはじめ、歴史上栄えた集団は内部崩壊で滅んだ。
国のように集団が大きくなると、
誰もが納得する合意形成は不可能となる。
一定の人々がつくる少数集団が全体を統治し、官僚機構が生まれる。
日本では、薩長の明治政府、東郷元帥を中心にした戦前の政府。
現在では、安倍さんの政権。
国民主権・基本的人権・民主主義はどうなったのか。
そういう理念は、あくまでも建前。
たとえば、学校で、
個性尊重というのは建前。
規律重視が本音。
選挙は、一時のうかれ騒ぎ、人気投票。
民主的に選挙したという建前が重要なのだ。
議論は不要。(国会でも)
対話も不要。
情報公開は政権に有利な情報だけ。
裁判も政権に有利なやり方で。
三権分立は建前。
世論調査では、
国民の約70%が生活に満足。
安倍政権は安泰なのだ。
世論調査も政権に有利なやり方で。
私が住む地域社会を考えてみる。
地域の課題は、ほとんど隠れている。
子どもの貧困。貧困家庭。
老人たちの孤独。
ひきこもりや精神障害などの家庭内の問題。
すべてが、おもてに出てこない。
見ようとしなければ、問題はどこにもない。
政府も行政も、
お金がないので、見ようとしない。
お金がないのは、真実。
10年後か20年後は、
社会保障支出が半減する時代となる。
生保も年金も、教育支出も半減する。
そのときになって、
ようやく、
選挙の大切さが人々に認識されるようになるだろう。
地域づくりやまちづくりも
自分ごとになるだろう。
地域づくりに必要なものは、
第一に、話し合いや対話なのだが。