近未来の地域社会を考える。
未来から見ると、現在の問題が鮮明にわかる。
現在と一番違うのは、
お金への信仰が薄れていること。
財産をより多く持ちたいという生き方はなくなっている。
お金は交換手段の価値しかない。
今必要なものを手に入れる手段に過ぎない。
未来の必要を満たす財産は不要になっている。
お金があれば、何でもできる。
お金儲けが人生の目標。
そういう生き方は、過去の遺物となっている。
この傾向は、21世紀中頃からはっきりしてきた。
お金で買えないものが増えていった。
愛も子どもも生きがいも、お金では買えない。
若者の働く場も、収入の多寡ではなく、
働くことが楽しいか、生きがいになるか。
自分の成長に役立つか。
収入は、二の次になっていった。
住居や車など、高価なものはレンタルが中心になり、
モノの所有は不必要になった。
必要なときに借りればいい。
食は、生産者が見える、近隣の食材が中心。
農業は、若者に人気のある職場だ。
モノづくりの手ごたえがある仕事。
ロボットが担当するのは単純作業。
安いものが、もてはやされる、価格だけの市場は世界から消えた。
モノは溢れて、質による競争の時代に。
質の価値は各人で異なる。
人々は、値札ではなく、個々人に適した有用なものを買うようになった。
対人サービスも魅力ある職場。
人間付き合いは、生きる世界を広げるからだ。
お金が、価値基準の役割を終えると、
生産物や付加価値を計るものさしがなくなる。
GDPなどの基準もなくなる。
生活の豊かさを計る新しい指標が考案された。
モノの交換は地域通貨で取引されるようになる。
(地域通貨については他のページで説明)
モノの価値は、人により異なる。
地域や環境や自然の事情でも変わる。
衣食住などの基礎的生活が保障され、
生きがいに通じる働く場所が多様に提供され、
人は人生を楽しむことができる。
スポーツ、健康、医療、介護、
ものの創作、芸術、学問、
多様な生きがい場が、地域づくりの中心。
つづく