私の人生も、普通に考えて、あと10年。

長くても20年。

短ければ、あと5年。

人生は確かに短い。

 

しかし、

ひとりの人と付き合うと考えれば、

ちょうど、ぴったしの時間ではないか。

 

例えば、夫婦を50年続ければ、

だいたいのことはできる。

互いの個性や、相違を知るには、まさに相応しい時間。

 

50年も付き合えば、

互いに疲れる。

もはや、探索もおせっかいも、どうでもよくなる。

現状をありのままに受け入れるしかない。

そろそろ幕切れが近い。

 

もし、ひとりではもの足りないと感じて、

さらに、別の愛を求めたとしたら、

中途半端なままで結末を迎えることになる。

それは、心残りだと思う。

 

人生百年となっても、

これは変わらないだろう。

 

ひとりと付き合うのは、

結構しんどいものだ。

 

体裁や建前を卒業し、

本音でぶつかる関係も、

それなりに大変となる。

 

50年も60年も同じ歩幅で歩くのは、

どこかに無理が生じるのだろう。

 

短い人生を考えれば、

愛の賞味期限は意外と短いのかもしれない。