「脳外科医からベンチャー経営者へ

ぼくらの未来をつくる仕事」豊田剛一郎著

 

マッキンゼー入社の体験が書いてある。

これが、おもしろい。

 

いかに、教育するのか、

人材を磨くには、どうすればいいか。

人の育て方の基本が良くわかる。

 

マッキンゼーでは、

プロジェクトのたびに新しいチームが結成される。

 

プロジェクト初日に、自己紹介などキックオフミーティングがある。

話す内容は、

どのようなプロジェクトに関わってきたのか等の業務的なことから、

働き方の好み(例えば、週一回は、皆と飲みに行きたい、とか

週2回はジムに行くとか、月水は保育園のお迎えがあるから、その後は在宅で働くとか)

自分の仕事のやり方を明確に伝える。

さらに、自分はどんなことにストレスを感じるとか、

できるだけ詳細に、お互いを理解しあう。

 

さらに、自分の強みをしっかり伝えること。

「データの分析や処理が得意なので、任せてください」とか、

「保険に関するプロジェクトは経験があるので、業界の慣習など僕に聞いてください」とか、

「クライアントからのクレームに困ったら僕に声をかけてください」とか。

 

ストロング ファーストの文化。

 

毎週、プロジェクトメンバーが集まり、だいたい3~4名で、

一時間の反省会がある。

 

反省会と言えば、日本ではダメ出しが基本。

ここはうまくいかなかったので、この点を改めて、改善したい。というのが日本。

 

マッキンゼーでは、その週の仕事内容と成果、

自分が頑張ってよかった点を、アピールする。

できるだけ具体的に。

 

自分の成果や強みをきちんと、言葉にして伝えることが、

自分の成長にとって、とても効果的であると実感したと。著者はいう。

自分の強みを自覚できて、自信が生まれる。

そして、積極的になる。

周囲も自分を頼るようになる。

さらに、チャンスが広がる。

ボジティブなサイクルが生まれる。

 

今週、自分は何を頑張ったと言えるのか、これを意識すると、

成長スピードは格段に速まる。

 

そして、マッキンゼーでは、

さらなる成長のために、何ができるかを、上司や同僚たちも考える。

 

日本では、

「君の弱いところは〇〇だ」

「ここがまだできていない」

 

「ここは、こうした方がいい」と

弱みを指摘するのが普通だが。

 

君の成長のために、僕はどう役立てるのか、

という内容で、

上司や同僚が声をかけあう。職場環境。

 

チーム各人の成長に対して、協力的かどうか、

それが、明確に人事の評価基準となっている。

「自分だけ成長すればよい」という人は評価されない。

 

「この人と一緒に働くと自分も成長できる」と皆が実感すると、

結果的に良いチームがつくれる。

人の成長を助けると、自分にもきちんとメリットが還ってくる仕組みが

つくられている。

 

人の教育は、日本もこのように変えるべきと思います。

 

友人や仲間うちで、足を引っ張りあう関係ではなく。

お互いに、成長をうながしあう関係。

そこには、いじめなどつけ入るスキはないでしょう。

 

教師どうし、教師と生徒の間、

こういう関係づくりをして目指して欲しいと思います。