私は吃音の当事者だったので、吃音は知っている。
吃音は幼児の5%程度。成人では2%以下か。成人にアンケートすれば、自殺を考えた人は半数になる。深刻な発達障害。
学校で吃音の人を見つけるのは難しい。周囲に気づかれないようにしている。
例えば、性的マイノリティ(LGBT)と言われる人々は、朝日の朝刊(2017年11月6日)によれば、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の英語の頭文字をとった言葉。電通が2015年に実施した調査で当事者に該当すると答えた割合は7.6%(約13人に1人)。
同窓会の世話をしていたから、同級生については知っていると思っていた。
私の中学同級は380名。私の知っているなかに、それらしい人はいなかった。比率から言えば、30名はいるはずなのに。たぶん、気付かれないようにしているのだろう。吃音者と同じ。
ネットによれば、アルフレッド・キンゼイ(キンゼイ報告)とシェア・ハイト(ハイト・リポート)の調査結果で、現実に多数の人が男女の両性に性的魅惑を感じており、両性愛者はマイノリティではなく、数の上で多数派らしい。にも拘らず、両性愛の人が自分が両性愛であるとカミングアウトすることは稀である。その理由は、同性愛の部分で社会からの圧力を感じるためである。両性愛者であることを公言することは則ち、欧米では同性愛者のなかに数えられるということになる。
同性愛者へのインタビューに応じた50人中27人が「自殺」について一度は考えたことがある、このうち5人は実際に自殺未遂の経験があると回答した。「将来的に自分の人生がよくなるとも思えない。変わんないかもと思ってそれが辛くてもうダメだと思った」。27人には、このように「将来を描くこと」に困難を感じる傾向が見られたという。
あるトランスジェンダーの男性はインタビューから半年後に自殺した。ゲイジャパンニュース共同代表の山下梓さんは、「仕事の面接を断られたり、家族・学校に受け入れてもらえないなど、ネガティブな経験が積み重なることが『暴力』になりえる」と話している。
同性愛者の生きずらさは、尾辻かな子著「カミングアウト」を読むと良くわかる。幼い頃から細心の注意をはらって、周囲に気づかれないようにする。学校時代のいじめなどの暴力で自分が大事に思えなくなる。自尊感情が砕かれ、前向きな生き方ができなくなる。
LGBTたちの抱える問題はとても大きい。つづく