バングラデシュはベンガルにある。

ガンジスなど三つの大河と無数の支流が国中を流れる。

 

紀元前2000年前からの長い歴史と文化。

ベンガル語を話す人々は、

インドの西ベンガルと合わせ、計2億5千万人。

世界の主要言語のひとつ.

 

現在のバングラデシュは人口1億6千万を超え、

世界で8番目。(9番目ロシア、10番目メキシコ)

90%がイスラーム。

インドネシアと並ぶイスラームの大国。

 

国の面積は北海道の約2倍。

国土の大半が低地で、

洪水と干ばつで、国土の半分に影響が及ぶ。

1988年の洪水では国土の66%が水に浸かったという。

 

長い間、天災に苦しむ農業中心の最貧困国であった。

1990年の一日1ドル以下で暮らす人々の比率は70%。

 

ところが、

2017年現在、約10%まで減少している。

2012年に一人当たりの所得が1000ドルを超え、

2015年には1465ドル。

ここ30年間の着実な経済成長、

ここ10年は、6~7%と高度成長で安定している。

 

成長の原動力は、衣服縫製業、自転車、家電などの軽工業。

縫製業は中国に次ぎ、世界第二位の輸出額となる。

海外への出稼ぎの送金も大きい。

日本円にして約2兆円の送金がある。

 

今や、バングラデシュは、BRIC諸国に次いで、

成長の可能性が高い国、

イラン、メキシコ、インドネシアなど11ケ国の中にも入っている。

投資先としての魅力がある。

 

社会資本の整備が遅れているのが、

現状で一番の問題であるが、

人口の40%が18歳未満で、

若い活力にあふれる国だ。

 

出生率は、2,2まで下がり、

2050年に2億を超えるのが、人口のピーク。

それまでに先進国の仲間入りするのが、

経済成長の目標になっている。

 

17歳までの中等教育、

ここ20年で教師も就学者も倍増しているが、

約半数が中途退学している。

理由は貧しさが大きい。

 

「人々の急激な教育熱の高まりに

いかに迅速に教育制度で応えていくのか」という課題に、

成功したモデルを達成した国といえるようだ。

しかし、教師の粗製乱造や教育格差の問題が

残されたままである。