ベラルーシ共和国。

 

人口約1000万人。

国土面積は日本の約半分。国土全体が平坦で山が少ない。

ウクライナの北で、

ロシアとポーランドに挟まれ、長い間両国の支配をうけ、

独立国となれなかったが、偶然に

ソ連崩壊で誕生した国。

ベラルーシ語はあるが、日常的にはロシア語が主体。

 

ソ連時代は、優等生共和国で製造業が盛ん。

現在は中所得国。

この国は、日本と似ているところが多い。

 

1991年に独立後、

ソ連崩壊後の不景気とインフレに苦しみ、

1994年選挙で大統領に就任した

ルカシェンコは、大統領独裁を実現した。

現在5期目で64歳。

反対派はほぼすべて追放されて、

国内に有力な反対政党はない。

 

教育や医療を無料にするなど、

大衆迎合的な政策を打ち出し、

大統領は優秀だが、官僚や閣僚が

無能で怠け者という評判を維持している。

政策の失敗は担当大臣の責任となり、すぐに交代する。

 

ソ連圏なので、個人の自由な発想で、

経済のイノベーションが起きることは考えられない。

国営企業が中心の経済。

 

ソ連圏全体が遅れているので、

目立つことはないが、

世界の標準からすれば、進歩や成長が遅い。

 

第二次大戦では国民の4分の1(3分の1という意見も)が

戦争の犠牲になって死亡。

19世紀末には、約100万人いたユダヤ人も、現在3万人。

約60万人がホロコーストの犠牲になった。

 

チェルノブイリの原発事故の影響も大きく、

汚染地域は国土の23%。

事故から15年経った、2001年の調査では

甲状腺がんの発生は事故前の6倍になっている。

一貫して発生数が増え、

現在では、10倍以上になっていると予測される。

福島も同じになるのではないかと思われる。

 
独裁政権が、経済を活性化して
国民が満足できるかどうかが、
今後の政権安定の試金石。
ソ連圏への輸出が中心だが、近年、
中国製や東南アジア製に負けつつある。
 
将来に明るい希望がもてない国である。
 
それにしても、
戦争で人口の4分の1が死ぬなんて、
カンボジアやチモールと同じ。
太平洋戦争での日本の死者は、約500万。
人口の10%以下です。