前日のつづき。
今回は具体論。
里親制度を取り上げる。
社会的養護と言うらしい。
実の親が様々な理由で育てられない、
または、虐待や育児放棄などで、
子どもを親から引き離す必要がある場合など、色々。
里親の人数は、戦後減り続けて、
昭和60年は約3300人。
預けられている子どもも減り続けて、約2600人、
共に、戦後の3分の1以下になった。
その後、増えて、
現在では、里親とファミリーホームで約5千人。
児童養護施設と乳児院に預けられる子どもは、
現在、約3万5千人。
施設での養護は、
小規模施設で、職員一人に対して、子ども約10名。
大規模はもっと多い。
入所してくる子どもたちは、
戦後、両親の離婚や死別や行方不明が多かったが、
平成では、虐待や経済的理由や育児放棄が約半分。
子どもの障害を理由とした育児放棄も増えている。
従って、養護施設に入ってくる子どもの約40%が、
何らかの精神的な傷を負っている。
厚生労働省の調査によれば、
施設職員が、身の危険を感じている割合が約半分にのぼる。
従って、勤続年数平均は約8年と短い。
同じ子どもを継続して見守ることができないのが実情。
施設内の職員による虐待も数多く報告されている。
故に、厚生労働省は
施設から里親へと移行させようとしているが、
上手くいっていない。
精神的問題をもった子どもを預かるのは、
普通の親にとって、荷が重すぎる。
円満な縁組を探すのは難しい。
施設での養育がうまくいかないのは、
主に、職員不足が最大の理由。
なぜ、職員を増やさないのか、
理由は単純。
予算がない。
老人福祉に比べて、
圧倒的に少ない子どもへの予算。
先進国の中で、日本はダントツに
子どもに冷たい国。
子ども向けと
老人向けの予算は、
約10倍の差がある。
人口比で言えば、
子どもを20歳までとするなら
65歳以上の老人は、
約2倍。
この国で、
子どもは
必要とされていないのが、
実情。