江戸時代の終わり、諸外国に通商が開かれ、

多くの外国人が日本にやってきた。

文筆家や学者もたくさんいて、それぞれ記録を残している。

 

その当時の文明国から来た人が

日本について共通に感じたことは、

世界で一番、清潔な国という印象。

 

ヨーロッパの国々の都会は不潔だった。

リスボンなどは、建物の階上から糞便や尿を道路にぶちまけるので、

道を歩くのは身分が低い人だけ。

 

その頃の世界で、

人口が百万を越す江戸は、世界一の大都会。

道はいつも掃き清められて、

下水の管理の世界一。

 

もちろん、犯罪もきわめて少ない。

 

外人が一番、驚いたのは、

大工などの労働者が楽しそうに仕事している風景。

歌いながら働いている。

これは、驚きだった。

 

当時の文明国では、

労働者は奴隷に近い状態で、

鞭打たれるのが普通だった。

 

さらに、

子どもたちが楽しく遊んでいる風景にも、びっくり。

 

その頃の文明国では、

子どもは親に服従して、親の手伝いをするのが普通。

子どもたちに自由を与えると、悪魔から誘惑される恐れがあった。

 

男女混浴の浴場が至る所にありながら、

風俗に乱れは少なく。

むしろ、吉原などの遊女は、世間の尊敬を受けていた。

伊藤首相など、遊女を妻にした人は多い。

 

子どもたちが大切にされている国

というのは、

文明国の知識人にとって、

驚嘆することだった。

 

以後の日本の発展は、

自由に伸び伸びと育てられた

これらの子どもたちの末裔が担っていく。

 

昭和になると、

日本の子どもたちも、

文明国並みに自由が制限されるようになった。

 

21世紀、現在の日本、

子どもたちは、ますます窮屈な生き方を

押し付けられている。

 

日本の子どもたちに、元気がないことは、

親たちを見れば、よくわかる。

 

親たちには夢がない。

当然、子どもは、未来に悲観的で

型にはめられたように育つ。奴隷化。

 

学校では、

先生方が無気力。

当然、子どもたちも意欲に乏しい。

 

中学校に行って、子どもたちが登校する顔を見れば、

一目瞭然。

目が死んでいる。

 

子どもの数が減るのは、

これらの現象が、ありありと発現しているからだと

私は思う。