「あの日」小保方春子著(2016年2月第四刷)を読み終えた。
読んでいるのが、苦しくなり、何度か中断した。
圧巻は、第二次調査委員会の聴取。
マスコミによるバッシングで、
眠れない、食べれない、休めない、
立つのもやっと、
正常に思考できない状態での聴取。
診断書通りに出席を拒否すればいいのに。
(欠席裁判でOKなのに)。
彼女は、責任感から出たという。
不正を自白させる強い圧力。
心が弱くなり、うなずくだけで、
不正を認めたことになる。
「ESを混ぜていた」と
どこかで、聞いたことがある
同じような状況。
無実なのに長い拘束で
自白を強制される取り調べ室。
多くの冤罪が発生している。
このような状況では
ほぼ、すべての人が
自白するのではないかと
私は思う。
小保方さんとチームを作っていた
多くの仲間が、
各人、個別の問題(多分、今後のキャリア)を抱えて、
小保方さんの無実を知っているにもかかわらず、
大きなアクションを起こすことができなかった。
一番頼りにしていた人が自殺した。
さらに、信頼していた仲間の中に
小保方さんをスケープゴートにして
自分の立場を守ろうとする人々がいた。
マスコミのバッシング。
それがいかにすごいか。
家族や親近者、友人への嫌がらせ。
私もその頃、
テレビを見ていて感じた。
小保方さんは、完全にクロだと。
多分、理研の管理職も、
早稲田の教授たちも、
同様に感じたのだろう。
小保方さんは、クロだと。
最初から、
そういうストーリーになっていた。
マスコミには、
社会を動かす力がある。
シロをクロにするくらいは軽いもの。
恐怖をあおり、
たぶん、戦争を起こすことさえも
可能かもしれない。