子どもの死は
親にとっては最大の苦難・試練。
多分、事業の失敗や破産よりも大きい。
勿論、離婚よりも大きい。
子どもの生命か、国の運命か、と
二者択一を迫られた戦国の大名は
どちらを選んだだろう。
子どもの死を乗り越えるには
ありったけの精神の強さが必要。
さらに、こころの冷酷さも。
人生の夢を捨てるくらいの覚悟も。
もし、
子どもが自殺したら
高校まで育て
突然
死んでしまったら
事故や病気なら、
いくらか、諦めもつくが
死後、だいぶ経って、
いじめがあったという噂
クラスのアンケートに
具体的な場面が書かれていたとか
しかし、親には知らせがない
いじめ問題を調べる
第三者委員会が発足したという
だが
1年経っても調査結果は出てこない
加害者の特定が難しい
当人たちにいじめという意識はない
教師たちも証言はあいまい
つまり
事件性がはっきりしない
自殺した生徒個人に問題があったのではないか
家庭生活の問題も
学業の上の問題も
友達付き合いの問題も
いろいろとあったのだろうと
うわさは飛び交う
数年も経てば
すべてが忘れ去られる
それが人の世
親はそういうわけにいかない
いつまでも忘れられない
多分、死ぬまで
思いが続く
自殺した彼に親しい友人がいて
自殺が納得できなく
卒業してからも
毎年のように
命日になると
校門にやってきて
名前と享年を書いた旗を立てて
冥福を祈る
学校にとって
それは迷惑なことで
その日は、口実を作って
学校を臨時休校にしたいくらい