先日、秋本和伸さんが亡くなった。

風の噂で、二ヶ月経って、私に伝わってきた。

 

享年82歳。

10冊の詩集を出版。

 

両親をはやく亡くして、祖母に育てられる。

ポリオで肢体不自由、発声にも障害。

 

中学校の成績は良く、

科学者になるのが夢だったという。

しかし、身体障害のため、高校進学を断念。

 

不自由な身体を酷使しながら、

牛乳屋を48年続け、73歳でリタイア。

初めの頃は乳母車で配達していたという。

 

私との付き合いは、20年程度。

私の妻も交え3名で一泊旅行したこともある。

 

生涯、独身を通す。

晩年の15年くらい、彼の部屋に入ると、

クラシックか、または懐かしい日本の歌曲が

バックグランドミュージックで流れていた。

会話は、ほぼ筆談。

用事の電話は、ヘルパーさんに頼んでいた。

 

一人暮らしができなくなり、

最後は老人ホームに入居。

見舞いに訪ねても、

生きる意欲が感じられなくなっていた。

82歳だから、大往生とも言える。

 

私の本棚、

彼の詩集7、9,10はあったが

最初の詩集が見つからない。

どこにいったのだろうか。