私が高校の頃、
半世紀以上、昔のはなしだが。
高校の弁論部に所属していた。
毎週数回、放課後の部室に集まり、
様々なテーマで
議論を戦わした。
その一つが、
「幸せと平凡」
私が高2の時の先輩に、
「平凡の中に幸せがあると」
平凡であることの利点を強く主張する女性がいた。
その頃の私は
幸せと平凡が結びつくとは
どうしても理解できなかった。
それで
印象深い記憶となっている。
現実の経験に乏しく、
本から学んだ知識中心の高校生にとって、
平凡の価値などは、
到底知り得ることではなかった。
古希になって思うと、
平凡であることこそ、
幸せの重要な条件であると、感じる。
平凡にも色々あるから、
全ての平凡がいいわけではないが。
長い人生を生きると、
平凡であり続けるのは、
まず、不可能だろう。
山あり谷ありが普通のコース。
たとえ、
どんな障害や壁にぶち当たろうとも、
何とか乗り越えて、
平凡な生活を手に入れる。
実にすばらしい勲章だ。
北朝鮮の金さん、
安倍さん、
トランプさん、
いずれも、
すざましい緊張の毎日だろう。
限られた情報にもとずいて、
重大な決定をしなくてはならない。
賭博師に似た心境だろうか。
部下が忖度して
正確な情報を隠すようなら、
なおのことストレスが高まる。
私達庶民は同情するしかないけど。
可哀想だ。
彼らも、将来いつか
平凡な幸せに到達すことを
祈るしかないが。