日本の引きこもり(6ケ月以上社会と関わりがない)は、

平成22年の内閣府の調査で、全国で約70万人。

 

次に韓国が多く、約30万人。韓国では兵役から帰ってきた若者にひきこもるケースが多いという。

若者の奉仕活動義務化や徴兵制をやれば、引きこもりが減るという意見は逆の効果しかないようだ。韓国で実証済み。

 

日本や韓国や中国などは、親と子の同居が当たり前の文化。だから自立できない子どもたちは引きこもりとなる。

 

2012年の研究報告では、引きこもりの平均年齢は32歳という。

毎年上昇傾向にあるらしい。

 

日本では、不登校の人数は約30万人。

一番多いのは中学生約10万人。

 

欧米は、子が一定年齢に達したら家から追い出す文化。

だから、若いホームレスの人口は、

イギリスで25万人、フランスで20万人、

アメリカでは100万人とか、日本は多くて5千人ぐらい。

 

日本の若者たちは世界一おとなしいと言われている。犯罪率も他の国々に比べて圧倒的に低い。

反社会的なキレる若者が少ないのだ、その代わり非社会的な若者が多い、家族が社会問題を黙々と背負っている。

 

イスラムの国々はどこも若者失業率が高い。テロリストはいい就職口。

 

では、引きこもりや不登校は悪いことなのか、

全く悪くない。各人のそれぞれに、もっともな理由がある。

 

学校に馴染めない。就職先に馴染めない。など、色々な理由がある。

中には、頑張りすぎで、こころが病気になる人も多い。

 

引きこもりから脱出するには、いろいろあるが、

「誰にも頼らない強さ」ではなく、「時には人に甘えられる力」。

家族以外の人間関係を持つこと、どんな関係でもいい。

 

「人に認められる」「人といると楽しい」が感じられれば、

家から出ていける。人と何とかやっていける自分に自信が持てるようになれば、自然に家から出ていくようになる。

 

その時、大事なことは、成功とか、大きなジャンプをしないこと。ぼちぼちが一番と思えるようになれば、最高。

 

引きこもりの人も本心、こころの底では社会とつながりたいと希求している。人類は社会的生きもの。集団で生きるのが本能。

 

俺みたいな引きこもりは生きている意味がないとか、誰の助けもいらないとか。

引きこもりはこじれると、こころも身体も不健康になっていく。

そうならないように、しつこく、ゆっくり、粘り強く、

それでいて、

多くを期待しない軽い気楽な誘いかけ、社会への誘いかけを続けるしかない。

 

その際の基本的な理念は、「どうしたらこの子が元気になってくれるか」、それ以上を求めないこと。

 

以上、「世界一やさしい精神科の本」斎藤環・山登敬之著、河出書房新社、から引用が多い。