人が短い一生の間に知り得ることは、ほんのわずか。
未知に囲まれている。
科学が発達したとはいえ、未知の領域は果てしなく広く深い。
人類は誕生以来、未知に直面し、不安に襲われた。
そこで、生まれたのが宗教心。
ホモサピエンスの前から、人類は宗教心にたよって生き延びてきた。
祖先の霊、大自然や太陽の恵み。
人類は弱い生きものだから、
確かで強いものに、よりすがるしかない。
多分、宗教心は、人類が生き続ける限り、
必要な生きるスキルだろう。
ただし、迷信のようなものは不要。
私にも、宗教心はある。
知恵を超えた感じ方。
例えば、座禅しているときの感覚。
私は神や特定の宗教を信じていないので、
真理には無縁。
しかし、美しいものを見るとき、
神のようなものを感じる。
人はどんなに熱烈に努めても、
真理に至ることはできない。
という諦観も、
宗教心かも知れない。