コミュニティ活性化のアイデア

 

人口減少・地方疲弊の時代、中心商店街活性化やまちづくり施策は多いが、

肝心なひとづくりには成功していないのではないだろうか。

まちづくり=ひとづくり=地域活性化=コミュニティ活性化だ。

 

街の中心部に暮らしていると、ここ40年の大変化がよく分かる。

子どもたち激減以上に、大人の立ち話が消えた。

駅周辺も住宅街も、通学生を除けば、歩く人がいない。

 

人の移動は車から車、途中で寄り道やおしゃべりの場がない。

昔は仕事や買い物の途上で、無駄話をする場があった。

職場と家庭の間が無人の砂漠化。

まちからコミュニケーションが蒸発した。

 

地方創生の様々な手法を見ていると、端的に言って、

多様な主体の間につながりを作ることに集約される。

主体には民間や公の団体、NPOや市民グループや企業や

個人ボランティアなど色々あるが、

要するに、様々な主体の間にコミュニケーションの糸口をつくり、

それを発展させていくことができれば、成功の事例となる。

 

当市の場合、夢プランという施策で、コミュニティの活性化を狙っている。

現在、市中心部のコミュニティは形骸化、自主事業はないに等しい。

独居老人の見守りも、福祉委員や民生委員は手一杯で人員不足、

自治会も加入世帯率は改善されず、自治会長や各種役員も成り手が少なく、

行事縮小が生じている。

 

コミュニティの活性化について、私のアイデア(夢)は、

 

活性化は人的資源の発掘から始まる。

公民館や社協によるボランティア募集は成功していると言えない。

自分から進んでボランティアをする人は稀。

当人に意欲や能力があっても、普通の人は奥ゆかしい、

出しゃばりは嫌われる。

 

人材発掘には、地域の情報網(口コミ)を使い、

地域社会の住民の趣味や得意技能や経歴などを聞き出す、

実態調査に取り組むネットワークづくりが第一のステップ。

要するに、至る所で、ご近所のうわさを集めて歩く。

 

更に、当人に直接面会し、世間話をしながら、

つながりを作っていく。

世間話のできるボランティアを、集めることから始めなくてはならない。

初めは数人でいい。

やがて、雪だるまのように増えていくだろう。

親しくなり、趣旨に同意するようになれば、

たいがいの人は力量の範囲で協力するようになる。

 

問題は次のステップ。

ボランティアを集めれば、当然、定期的な話し合いの場が必要。

肝要なことは、指示は一切しないこと。

外部から口を出さないこと。

外部の人ができるのは、ボランティアのグループが自主的に発案する

事業(どんなに小さくとも)を応援して、

事業が軌道に乗るまで、精神的金銭的支援を惜しまないことに尽きる。

 

事業として考えられる項目をいくつかあげると。

・貧困で塾に行けない子供のための無料塾。

・貧困で食事もまともにとれない子供たちのための「こども食堂」

・独居老人で話し相手を求める人たちのために、常設のカフェ。

・公園の管理をする公園愛護会

・地域中の枯葉や食材廃棄物を集めて、堆肥腐葉土を作って販売。

・市から生活道路管理の委託を受けて、簡単な補修をする。

・街路樹の管理

・地域内の交通弱者のための相乗りなど多様なシステム構築。

・休日と夜間に、子どもたちのデイサービスができるたまり場作り。

・放課後児童クラブと老人クラブの連携。

・地域内に、何でも相談できる場をつくり、おしゃべり場とする。

・暇と体力の余る人と人手が要る人を結びつける地域の仕事紹介システム。

・地域通貨の可能性を探る研究会

・ひとり親家庭を支援する地域のたまり場の設置。

・空き家管理

・地域で家の改修や新築の際に、様々な支援システムを作る。

 

企画の基本は、人(子どもを含む)と人がつながる場を創っていくことにある。

さらに、地域内で可能な限り完結できるようなモノ・ひと・仕事づくり。

 

地域内需の振興による地域活性化だ。

そのためには各人の持ち味、技能、能力を活かす、

多様なグループが誕生しなくてはならない。

 

例えば、地域内に、楽器演奏が趣味の人がいれば、

子供たちに教えたり、仲間を募ったりしてもらう。

語学堪能な人がいれば、語学塾を子供たちや大人を対象にして開いてもらう。

謝礼は自由に任せる。

無料でもいい。当人が無理しない範囲で、

人と人のつながりをつくる企画が多ければ多いほどいい。

 

私の場合、塾経験20年だから土日の無料塾くらい開ける。

また診療放射技師歴35年なので、老人相手に色々とおしゃべりはできる。

 

コミュニティ内の全ての人が孤立しないように、

異年齢どうしでもコミュニケーションできる、

そういう地域ができれば、将来外国から移住者を迎え入れる際にも、

良い環境となるだろう。