これほどに情報があふれる時代で、
10年先の未来も見通せないとは。
今、地球という全体を見ることは難しい。
例えば、中学の教師が生徒を知ろうとする。
ペーパーテストの点数や、
授業態度は分かるが、
それは生徒のほんの一部。
生徒については分からないところばかり。
生徒が分かるようになるには、
教師の体験と感じ方を豊かにする他ないが、
一朝一夕にできない。
例えば、市役所の職員。
自分の持ち場くらいは把握できるかもしれないが、
市の全体像や、そこに住む人々のことは
わずかしか知らない。
窓口に来る市民への応対さえ、その人を知らずしては難しい。
組織のトップになれば、
組織管理が仕事の中心に、
組織を取り巻く情勢まで頭が働かないかもしれない。
豊洲市場問題が明らかにしているのは、
組織内の当たり前の合意形成で動いていたら、
大変な事態になっていた。
日本中の自治体も、
組織のあり方を変えなくてはならないだろう。
その基準は、
外部の人材が入りやすい職場環境に変えること。
内部の人ばかりだと、
自己改革は不可能。
なぜなら、今の環境以外を知らないから。
外部からの参加者となると、
サポーターやボランティアとなる。
無給でも、志ある人ならやるだろう。
これからの地域社会づくりも、
同じだと思う。