幼児から思春期に至る、

ひとの一生で、もっとも成長が著しい時期。

大脳と身体各部の神経系の連携が

緊密に複雑に重層的に発展していく。

 

このような大事な時期に、

大脳の記憶だけを中心に鍛えるというのは、

ひと全体の成長という観点から、

非常に悪い影響を与えるのではないかと、

私は思う。

 

できるなら、子どもたちには、

頭だけでなく、全身を使う学習の方が望ましい。

例えば、乗馬とか、細かい作業を要する大工仕事とか、

昆虫や植物採集もいい、

野外での学習は全身を使うものだ。

 

スポーツはいいけど、

一つだけに特化するのか良くない。

できれば、多種類のスポーツをするのがいい。

水球とハンドボールとか、サッカーとテニスとか、

いろいろとやる方が成長には良い。

 

子どもたちの成長に一番役に立つのは、

多人数の中で、すばやく、自分の役割や持ち場を

見つけ出し、作り出す能力を磨くことだ。

 

様々な個性、多様な感じ方と動き方をする

多人数の集団の中で、

それぞれの持ち味や違いや特徴を

すばやくつかみ理解する能力だ。

言葉や表情や身振りや眼差しを読み取る能力、

同時に自分を知る能力でもある。

 

多くの人と接する中で、

この能力は鍛えられる。

 

この能力が健全に育てば、

自分の持ち味が分かるようになる。

自分が分かれば、学ぶことは容易い。

自分の得意な分野で勝負すればいいのだら。

 

現在の受験は、あまりに狭い範囲の競争。

千以上もある、進路の中で、

たかだか英、数、国、社、理で争っている。

 

ひとには生来的に数が苦手な子もいる。

数が苦手なのに、何故、数学をしなくてはいけないのか。

数が得意な子の中には三ケタの掛け算を九九のようにできる子もいる。

 

他の課目も同じだ。

 

得意な課目に秀でれば、それでいいはずだ。

 

スーパーマンなんていないのだから。