厚生労働省の調査によると、

子どもの貧困率は1985年が10.9%

以後、上昇を続け、2012年は16.3%。

6人に一人となっている。

 

ひとり親世帯の貧困率を取り出すと、

50%を超えている。

 

シングルマザーたちは働いていないのかと考えると、

日本のシングルマザーの就労率は、

先進国では断トツに高い、85.9%(2007年のデータ)

 

その就労形態は2011年で、正規が39%。

非正規が53%となっている。

きちんと就労しているにもかかわらず、貧困から抜け出せない。

 

一番の問題は、

子どもとふれあう時間が異常に少ないことだ。

 

厚生労働省の調査を分析した研究(2007年田宮等)によれば、

育児に手間のかかる6歳未満の子どもを持つシングルマザーの

平日の労働時間は、共働きの母親と比べて長く、

平日に「育児に専念できる時間」は

平均で46分。

(同条件の共働きの母親の場合113分)

 

子どもの貧困はお金のあるなしではなく、

親子の会話や絵本の読み聞かせ不足など情緒面の発達、

虐待・ネグレクトなど母親の精神的安定との関連、

そして親子の健康面にも影響がある。

 

貧困の状態のままで育つのと、

周囲の大人のよい影響を受けながら育つのでは

成人してからの結果がまるで異なる。

(アメリカやイギリスでの長期間の調査が証明している)

 

上記の文言は

「子どもに貧困を押し付ける国・日本」山野良一著 光文社新書718

から引用したところがあります。