老人になると得すること。

時間がたっぷり、
心配事も少なくなるので、
座禅の時間が長くなる。

現役の頃は、
常に、何かしら悩み事があり、
瞑想に入ると、
精神を鎮めて、
頭の表面ではなく、
一番深いところで、
こころの声を聴くようにしていた。

今は心配事が少ないので、
座禅では
もっぱら、呼吸に集中する。

腹式呼吸に変えると、
すぐに、
下腹部が温かくなる。

これで、慢性前立腺炎の薬が
不要になった。

腹式呼吸は
一回20分程度で、一日数回。

何も考えないというのは
とてもいい。

生まれてからずっと頭を使って生きてきたので、
多分、頭のいいなりになっているのだと思う。

頭は自己保身第一、自分ファースト。

自分に都合良い情報だけを取り入れ、
自分に都合のいい好みや選択をする。

頭は一見賢そうだが、
途方もなく愚かにもなる。
馬鹿なことばかりする。

老人になれば、
頭から解放される、よいチャンス。

例えば、
目の前に用意された今日の昼食。
世の中には無数の美味しいものがある。

頭は情報でいっぱい。

しかし、
食べるときは、目の前の、
一口一口に集中した方がいい。
そして、ゆっくりと味わう。
他のことはシャットアウトして。
この一口を世界一にする。


それが、できれば、
聖人。