22歳の頃だから、
今から46年前の話。
その頃、
現役で入った大学を休学して、
東京で新聞配達をしていた。
主な理由は大学の再受験のため。
8月だったと思う。
朝刊を配ってすぐに電車、
富士山を目指した。
五合目までバスで、
それからは歩いて。
靴は
長靴。
上半身もかなり軽装。
確か、ほとんど駆けって、
3時間半で登頂。
少し頭が痛かった(軽い高山病)
天気は良かった、
頂上で1時間休憩して、
下山道は
ほぼ滑って降りた。
長靴が役に立った。
(この道は今、通行禁止)
1時間半少々で下山。
新聞配達で
毎日、3時間は駆けっていたから、
足には自信があった。
若い頃の話。
今では、速足で歩くこともできない。
2時間も歩くと、
足が疲れる。
山の上から見る景色は最高。
映画などで、
宇宙や山の頂上やハングライダーからの眺めを
飽きるほど見てきた。
目をつむっていても、
映像を思い浮かべることができる。
イメージで思い浮かべる映像と
現実の映像。
同じくらいにリアリティがある。
年取れば、
足や身体の故障で、旅ができなくなる。
しかし、
記憶や想い出のストックは豊富だから、
現地に行かなくても、
充分に楽しめる。
若い頃、富士山に登ったときには
山の歴史も知らなかった。
何も知らないで、
うろついた愚かものだった。
今、登るなら、
山の気を感じるために、
頂上で座禅したいと思う。