言葉を口に出すとき、
なぜ、それほど過度に緊張するのか、
その原因は単純。

過去の失敗体験が
圧倒するから。

どもる体験が重なるにつれて、
どもりそうな場面になると、
あるいは、
数日前からどもりを予感して、
予期不安が起こります。

意識しようとしまいと。
自然と緊張が高まってくる。

これは、
どうしようもない。

深呼吸したり、こころを鎮めたり、
他のことに意識を移そうとしても、
簡単には、
うまくいかない。

10回にたった一回の失敗でも、
失敗は大きい。
プライドや自尊心があれば、
余計にぶざま。

失敗体験が
予期不安を大きくして、
緊張を高め、
また、失敗を繰り返す。
悪循環の連鎖。

私の吃音が良くなっていったのは、
30代になり、もはやカッコウがつけられなく、
現状でいいと肯定せざるをえなくなり。

家庭をもち、子供も生まれ、
定職もでき、生活が安定したのが大きい。

30代、40代と、
失敗体験がだんだんと減っていき、
60点主義になり、
失敗を気にしなくなり、
これでいいと思うことが増え、
現状を肯定し、
自分に自信が生まれてきた。

そして、
いつもまにか、
吃音も消えていた。

10歳から40年もかかった訳で、
長い経験ではあった。

今では、
吃音であったことは、
私の人生の
ご褒美の一つになっている。

吃音であって、とても良かった、と
本当に思っている。

吃音だから感じることができた
知ることができた体験が
とても多い。
それが自慢になっている。