旅行したい、異国の文化を体験したい、

時間とお金があればと、誰でも思う。


私も還暦を過ぎ、生活に少し余裕が出たとき、

そう思った。

 

どこに行こうか、

 

ローマ時代に興味があり、本を読んでいたので、

一番行きたいところはすぐに決まった。

 

イタリア語もNHKラジオで学び

 

旅行ガイドも目をとおし、

グーグルマップで街角や店にも親しみ

行く前から、すでに現地で暮らしている気分

 

ローマ旅行の前に、妻の希望も考慮、

 

ソウル、上海、ニューヨークに行った

外国旅行は思いがけない出来事があったりするが

確かにおもしろい

国内旅行では味わえない冒険や刺激がある

異文化体験は最高の贅沢

 

そう思っていた。

 

 

ところが、娘が発病(もやもや病)

 

事情が変化。

旅行も、娘を連れて3名で行くのだけ可能。

(娘を預かってくれる施設はない)

 

娘が退院して3年。

 

旅行は温泉になった。

娘を湯船に入れるのが第一の目的。

自宅の風呂は普通の風呂なので入れない。

娘が入れるのは大きな風呂だけ。

家族風呂があり、バリアフリーの温泉だけ。

県内には数か所しかない。

 

生活も娘の介護とリハビリが中心。

 

やることが増え

仕事もボランティアも全て放棄。

 

しかし、以前よりは

 

ずっと格段に充実した生活

 

外国旅行したいという欲は

 

消えてしまった。

 

欲は、こんなに簡単に

 

消えるものだと

びっくりしている