─れおんseed─


最近、よくれんりと廊下ですれ違う。


だから、俺はそのたびに笑って手を振っている。


んだけど・・・・れんりは手を振りかえしてくれない!!


まあ、会釈はされるんだけど。


なんでだ?俺、嫌われてんのかな?


ほんとはもっと話してぇんだけど、何話せばいいかわかんねぇしな。


って、なんか俺らしくねぇー。


メールだったら考えながらできるからいいのかも?


つーか、れんりってメアド持ってんのかな?


そんなことを考えながらパソコンを開いた。


お!かずきからメールじゃん。


『よ!今日かすみから転校生のメアド教えてもらったーw』


って・・・え?マジかよ!?


転校生って・・・1人しかいねぇよな。


『マジかよ!!俺にも教えてくんねぇ?』


『本人に確認してみるわ』


『おう!』


数分後・・・・。


『OKだってよwでももう遅いから明日にすれば?』


『おう!そーする!』


─パタン・・・


めっちゃラッキーじゃね?ってかタイミングよすぎるだろっ!


かずき神だわw


メールするの楽しみだなー。


俺は、微笑みながら部屋の電気を消した。



─れんりseed─


「よ!れんり!」


れおんがうちに自己紹介してくれた日から、廊下ですれ違うたびに笑顔で手を振ってくれる。


そんなれおんに手を振り返すのは周りの目も気になるし、ちょっと恥ずかしくて・・・。


うちは手を振られたら、会釈をしていた。


でもやっぱり目立っちゃうみたい。


「え!?れんりってれおんと知り合いなの!?クラス違うよね?」


って同じクラスの子に言われちゃった。


「なんか、クラス発表のときに会いり合ったんだー」


「へぇー・・・。・・・・・・・・気をつけてね」


え?気をつける?なんで??


もしかして、下に何か落ちてる?とか思ったりもしたけど違うみたい。


「あ・・・、いや・・・やっぱ気にしないで!」


そういわれた方が気になるんですけどねー。


まあ、いっか。あんまり話したくないっぽいし。


「ねえ、れんりってメアドもってる?」


「うん。もってるよ」


「メールしてもいいかな?」


「いいよー!」


「じゃあさ、あとで紙に書いてくれる?」


「わかった!」


その日、家に帰ってメールを見ると2件の着信があった。


1人は今日メアドを教えた同じクラスでバスケ部のかすみ。もう1人も、同じクラスでバスケ部のかずき(男子)。


かずきにはメアドは教えてなかったけど、かすみから聞いたらしい。


それから、バスケ部を中心としてメール友達がどんどん増えてきて、めっちゃうれしかった。


そしてある日のかずきから、


『れおんがれんりのメアド知りたがってるんだけど教えてもいい?』


っていうメールがきた。


「れおん」っていう名前にドキッっとした。


答えはもちろんOK。だって、いろいろ知りたかったし。


ってか、うちも、メールしたいなーって思ってたからちょっとびっくり。


かずきって超能力者?w


今日はもう遅い時間だから明日からメールしてくれるんだって。


はやくメール来ないかな~♪って・・・え?なんでこんなこと思っちゃってんのー?



─れおんseed─


─キーンコーンカーンコーン・・・


今、昼休み。俺は2年2組の教室のドアに手をかけてなつきとれんりを探した。


「あ!れおんだ!れんりちゃん、行こっ!!」


なつきがれんりの手を引っ張ってきた。


「よ!俺のことわかる?」


「うん。クラス発表のときの・・・」


おぉ!!覚えていてくれたのか!


ほんの少ししか会ってなかったのに覚えてくれてた事がめっちゃうれしい。


「そうそう!!俺、工藤れおん。よろしくな!」


「よろしく!」


また微笑んでくれた。


つーか、れんりの後ろにいるなつきの視線がめっちゃ気になるんですけど・・・。


なんかニヤニヤしてるし!まあ、協力してくれたから文句は言えねぇが。


あー。ってか、これからどーすっかな。


最初は自己紹介ってことでいいんだけど、これからはなんて言って会えばいいんだ?


う~ん・・・。まあ、とりあえず、廊下ですれ違ったら手振るか。


少しずついこう!









─なつきseed─


あたし、熊田なつき。


さっき、れおんに「れんりって転校生知ってる?」って聞かれた。


あたしはもちろん知ってる。だって、あたしの後ろの席だもん。


「なんで?」って聞いたら、「ちょっと気になった」だって。


あはははっ・・・・わかりやす!!


”れおんが転校生を狙ってる”って小耳にはさんだんだよねー。


どうやらホントのようですね~。


れおんはいいやつだし?協力してあげてもいいか。


あたしは、くるっと後ろを見た。


「あたし、なつき。よろしくね!」


「よろしく!」


「れんりちゃんって呼んでもいいかな?」


「うん。全然いいよ!」


「あのね、れおんってやつがれんりちゃんと会いたがってるんだけどいいかな?いいやつだからさ」


「あ、うん。わかった」


たぶん誰の事だかわかんないんだと思う。きょとんとしてるもん。


「じゃあ、明日の昼休みってことで」


「うん・・・」


小さい返事が返ってきた。そりゃ、知らない人といきなり「会って」って言われても困るよね。


れおんってほんっと積極的だなぁ。


まあ、がんばれよー。








─れおんseed─


2年生になって数日がたった。


なつきにれんりのことを聞いてみた。そしたら、れんりはなつきと同じクラスだそうだ。


しかも、なつきの後ろの席なんだとさ。


あ!なつきっていうのは、幼なじみで家が近くて、信頼できるやつ。


そういえば、なつきと付き合ってたこともあったなぁ。


ふられたけどwwだから今は友達!


なつきとれんりが同じクラスなら、なつきを通じてもう一回れんりと話してみようかな。


てつやも連れてくか。理由はねぇんだけどw


ようし!明日行こう!!明日が楽しみだなw









─れんりseed─


今日から2年生だぁ・・・。はあ・・・。緊張するなぁ・・・。


ってか、なんかめっちゃ見られてるー!!


「だれ?」「転校生じゃね?」「バスケ部らしいよ」「マジで?バレー部に来てほしかったー」


聞こえてる!!聞こえてるよ!!


小声で言ってるつもりだろうけど、うちには聞こえちゃってます。


でも、聞こえてないふりしとこう。


─スタスタスタ・・・


先生、足長いなぁ。先生が歩くの速いから、うちがちょと小走りになっちゃうよ・・・。


うちが足短いんですね、はい。


周りの視線と声に耐えながら、やっと1年5組についた。


なぜ5組なのかというと・・・、


うちは「始業式が始まる前から部活に行きたいです」というお願いをしていたため、始業式より前から部活には参加していた。そして、5組の担任の先生がバスケ部の顧問だったので、「知ってる先生と一緒の方がいいよね」ということで、今に至る。


「おはようございまーす」


先生は前のドアから、うちは後ろのドアから教室に入った。


「女々しくて女々しくて女々しくて~つらいよぉ~♪」


うおっ!?教室にいた3人がいきなり歌いだした。


テンション高いなぁ~。岩手ではこんな人いなかったからちょっとびっくり。


歌っていたうちのメガネをかけていた男子が話しかけてきた。


なんかチャライっていうの?女慣れしてそう・・・。


「クラス発表するよー」


先生がクラス発表を始めた。


うちはどうやら2組らしい。テンションが高いメガネの男子は5組なんだって。


さっき一人で「俺また5組かぁー」って大きい声で言ってたから聞こえた。


「さらとあいこはれんりと同じクラスだからちゃんと連れってね」


「「はーい」」


先生の言葉に返事をした女子2人がうちに近づいてきた。


「これからよろしくね!じゃ、行こっか!」


さらちゃんとあいこちゃんは優しく微笑みかけてくれた。


なんかいい人が多そうだなぁ。


正直、めっちゃ岩手にいたかったけどしょうがないもんね。


住めば都って言うしね!!不安もいっぱいだけど、がんばらなきゃ!!











─れおんseed─


俺、中2の工藤れおん。いつも赤いメガネをかけている。


外見は普通だと思う。が、昔からよくモテる。


今まで何回告られたかはよく覚えていない。


そして、何人と付き合ってきたかもよく覚えていない。


だから蔭では「女タラシ」なんて呼ばれてる。


その呼ばれ方はマジで気に食わない。


俺は去年の春、ある女子に恋をして、付き合うことになった。


放課後はその女子の家に行くようになり、何度も何度もキスをした。


そこまではよかったんだ・・・。


でもある日、俺はその女子を押し倒してしまったんだ・・・。


それから数日後。


その事が親と教師にばれてしまい、俺は中2まで「恋愛禁止」になってしまった。


俺はそのことをすごく反省した。


そして今日!!ついに2年生になった!!


俺は解放されたんだぁ~!!恋愛してもいいんだぁ~!!


新しいクラスはどんなやつがいるんだろう?


ワクワクしながら中1のときの教室でクラス発表のときをまっていた。


すると、中1のときの担任と一緒に見知らぬ女子が入ってきた。


しかも、みんなは体操着なのに、私服で。


なにやら、転校生のようだ。


身長は小さい(151センチらしい)。髪形は、ショート。


俺はいろんな意味でテンションが高くなっていて、「ゴールデンボンバー」の曲を歌っていた。


それから、その転校生に話しかけてみた。


「どこからきたの?」


「岩手県です」


「へぇ~!あれ?震災のとこ?ってかタメでいいよ」


「あ、ありがとう」


「名前は?」


「れんりです」


「ちょっと、ちょっと!!れおん、行動がはやいよ!そんなに焦んなくったってこれからたくさん聞けるでしょ?」


っち!担任に会話を遮られた。


「じゃあ、クラス発表するよー」


─ガタガタッ


全員のクラスが発表され、それぞれのクラスへの移動が始まった。


俺は5組になった。去年と同じだ。まあ、何組でも良いんだけどさー。


そういえば、れんりって何組なんだ?やべっ!聞いてなかったな・・・。


あとでなつきに聞いてみるか。あいつは情報が早いからな。










(ノンフィクションです。名前は変えています。想像も混ざっています。)

会いたいのに会えない


話したいのに話せいない




それがこんなに辛いんだね











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