英語のできなさに落ち込んだ夜。 | ロワールのほとりで。

ロワールのほとりで。

パリからロワール河のほとりの街に引っ越しました。失業から起業に向けての活動や子育てのことなどつづります。

夫の20年来の友人シリルが、新しい彼女を連れてうちにごはんを食べに来ることになった。

シリルは自他共に認めるプレイボーイで、しばらく彼女がいない時期があったけど、それでもセックスフレンドには事欠かないようで、しばらく前は「ミツバチのように花から花へと渡り歩いている」なんて言っていた。

子供が好きで、結婚願望も強いんだけど、結婚して子供を産むなんてまだ考えられない年代の若い女が好きなので、なかなか落ち着かない。

最近、心理療法士の資格を取得、開業したので、職業柄なにかと心理分析をしはじめる。

だいたいにおいて、家族関係のトラウマを克服すべきとか、そういう診断になるようだ。

だから心に傷を持った女性がよくひっかかるようだけど、最後は男と女の関係というよりは、父親と娘みたいな関係になっちゃって終わり、というパターンが多いらしい。

さて新しい彼女は、ポーランドに住むオランダ人。

二人の共通語は英語。

必然的に我々も英語を話さなくちゃならない。

私は日本にいた頃は少しは話せたんだけど、フランスに来て以来、英語に接する機会がまったくなく、たまーに英語で話そうと思ってもフランス語の単語しか頭に浮かんでこないようになってしまった。

夫は昔アイルランドに短期語学留学していたこともあり、語彙は少ないけど、話すのは私よりできた。

でも今は忘れつつあり、私と似たりよったりのレベル。

そんなわけで前夜からどうなることやらと緊張していた私たち。

彼女は、魚は食べられるベジタリアンということで、それなら肉嫌いの私と同じようなものだから、私の好きなものを用意した。

アペリティフは、ピスタチオと、ブリニのタラマのせ。

前菜は、豆腐の春巻きと、まぐろときゅうりの海苔巻き。

メインは 、野菜たっぷり鮭のチャンチャン焼き。

デザートに得意のタルトタタン。

さて約束の時間に30分遅れて二人がやってきた。

もうしょっぱなから、バスルームはこちらです、っていう簡単なフレーズが出てこなくて、ジェスチャーで示す情けない私。

夫は、コートはそこにかけてね、ってちゃんと言えてるのに。

ちょっと悔しい・・・。

それにしても会話がはずまない。

シリルが一生懸命話題を提供するんだけど、こっちは言いたいことうまく言えないから、あんまり長い文章言えず。

ベジタブルっていう簡単な単語すら出てこなくて、レギュームはなんだっけ???って言ってる自分に落ち込んでくるし。

彼女は無口なタイプなのかあんまりしゃべらないけど、たまに口を開くと流暢すぎて、私には全部理解できなかったり。

そんな私たちの英語のできなさにも彼女は笑わないし(笑ってくれた方がまだ救われるのに)、料理の感想も質問もないし、場を盛り上げようとするシリルのリクエストに応えて私が楽器の演奏をしてもな~んにも言わないし、だんだん場がシラけてきた。

マクシムが周りでちょこまかしてても無関心な様子だけど、まあ私も自分が子供を持つ前は人の子供に興味なかったので、これはわかる。

でもなんだかすべてに興味がないようで、嫌々ここに来たんじゃないかしらと思えてくる始末。

私がフランスに来た当初は、パーティに出かけても何も発言できずつまらない思いをすることが多かったけど、それはフランス語が流暢でなかったから。

今は彼女が流暢に話せる英語でコミュニケーションをしようと彼女以外の3人ががんばっているのに、彼女は露骨につまらなそうな顔している。

シリル自身、ポーランドの彼女のうちでポーランド人達との集まりがあったとき、言葉がわからず疲れたと言ってたけど、今は彼女にそんな思いをさせないように常に気遣って、一生懸命話題を振っているのに。

最後は夫も努力するのに疲れてきて、もうマクシムを寝かしつけなきゃいけないというと、シリルも彼女もほっとしたように席を立ち、会はおひらきとなった。

私たち夫婦は、彼女のすべてに無関心な態度が不思議でしょうがなくて、いろいろ理由を考えてみたけど、よくわからず。

シリルに会いにポーランドくんだりから来たのに、友達にまで会ってる暇はないとか?

私だったら彼氏の交友関係がどんなか気になるので、ぜひ会いたいけどね。

もしくは、極度に無口で内気なタイプなので、初対面の人とは話しづらいとか?

私たちの英語のできなさに呆れてものも言えなくなってしまったとか?

まあなんにせよ、私の英語力はひどいということが分かって落ち込んだ夜だった。