あんぱん、あんぱん。
最近のわが子のブーム。
この単語だけだと、ただのパンだけど、
我が子が言いたいのは
ヒーローのアンパンマンのこと。
ヒーローの映像に夢中なわが子は、
それを観たい時、
あんぱん、あんぱん。
と催促するようになった。
♪アンパンマンはきみさー
ワンフレーズしっかり歌えるようにもなった。
ベビーサインは言葉を話し始めた時のつたなさを補ってくれる。
たとえば、靴。
言葉を話せるようになった赤ちゃんは、
「ちゅちゅ」と言う。
それを聞いたとき、「本当に靴のことちゅちゅっていうの?」
と半信半疑だったが、
我が子が靴を言葉にしたとき、それはやはり
だった。
「ちゅっちゅっ」
「ちゅっちゅっ」
と、言葉だけで言われても私はわからず、
「【何?】」と問い直した私に
我が子はお手てで【靴】のサインをしながら
「ちゅっちゅっ」と、自分が今、靴という単語を口にしていることを教えてくれた。
サインがなければ、何がちゅっちゅっなのかわからないままだった。
そして、ほんとに、「ちゅちゅ」って言うんだなぁと
成長の段階を垣間見たときでもあった。
そう言葉を発したのが2歳1か月の時。
我が子はそれから、五日も経たずに
ちゅっちゅっ→くちゅ→くつ
と言えるようになった。
つたなさを補う期間が短すぎて驚いた。
でも、これだけではない。
【ねんね】もある日、突然、「ねんね」と言えるようになったし、
【蝶々】も、はっきりと「ちょうちょ」と発音した。
私はこれもベビーサインのおかげだと思った。
サインを見せて教えた言葉を
その、時がきたとき、わが子は
はっきりとした話し言葉でしっかりと伝えてくれた。
これはわが子のエピソード。
2歳児にしてみればできて当然のことかもしれない。
それでも、わが子は、もしかしたら
言葉を溜めて溜めて溜めて、私が語りかけていた言葉と
同じ言葉を発せられるようになったとき、初めてその言葉を
発するのかもしれない。
そういう発育の仕方を選んでいるのかもしれない。
ベビーサインが話し言葉の習得を促す、と聞いても
ピンとは来なかった。
それは実感がなかったから。
今こうして子供の成長とともに実感している。
振り返った時に、ベビーサインのおかげだなあと思うことが多々ある。
きっと、「今」はそれを感じ難い。
今は、楽しい。
今は、それでいい。
わが子が言葉を話せるようになったら、是非とも尋ねてみたいことがある。
それは胎内記憶のこと。
お腹の中はどんなだった?
どんな風に過ごしてたの?
ねえ、どこから来たの?
アンパンマンの歌を我が子が歌うとき、
♪愛と勇気だけが友達さ
と言葉はまだ不明瞭だけど、友達のところでは
【友達】のサインをしている。
解って歌っているように思う。
「アンパンマンはきみさー」
と言葉にして歌ってくれると、さも母親の私に言ってくれてるのだと
これまた勝手に解釈する。
なにかにくじけそうになっても
ゆっくりゆっくりお話ができる日を
その教えてくれる日が来るまで、いくらでも待つよ。