日本の学会 大手企業などでは、莫大な予算を組み、様々な研究をしています。

化学や科学の発展には、発見と発明が微妙に、又、密接に絡み合って発達することはご存じのとおりです。
現在我々が如実に恩恵を受けていると感じる、その代表的なものはスマホやナビシステムなどのITハイテク製品でしょうか。移動や動力に使う各種の機器・機関などもその最たるものと言えますね。

しかし、あらゆる動力には燃料の供給が必要であり、ハイテク機器の製造にも残り少ない地球の資源が必要です。

例えば内燃機関の発明によりoilの需要が高まり、石油の産出国が莫大なオイルマネーを得ています。
しかし、oilも決して無尽蔵では無い上に、彼らの利益のために我々が払う燃料の価格は上昇の一途です。
今後、残りが少なくなるほど価格は高騰し続けて生活を圧迫するでしょう。

一部の裕福な作家は、電気が無くても人は生きられる とか、車が無くても2本の足があれば移動はできる。などと言っていますが、我々には文明があり築き上げた文化がありますから、電気や車などによる移動手段は必要です。 生きられるかどうかというサバイバルの話ではないのですから、その作家の論点は明らかに違っています。

また、その作家にしても、自分ではそう言いながらも、実際には外国に別荘を持ち、飛行機で移動しているのですから、文明から離れて暮らすことは困難だと思われます。
(頂いた資料には、その作家がファーストクラスで移動とか、別荘地で高級車を持っているとかがありましたが、根拠が無いし、それはどうでもよいことなので)

しかし、我々はこの燃料を極力必要としない動力源が得られれば、燃料を消費する我々の生活クオリティは上がります。輸送コストの低下は明らかに物資の価格に反映するからです。

例えば、内燃機関に代わるモーターを動力とするもの(自動車などの)の実用化がある程度進むと、モーターを回転させるためのEnergyであるBatteryはより高性能が求められる事になり、高効率モーターの研究も進むことになります。この要求を満たす高性能バッテリーやモーターが開発されれば、あらゆる動力への転用と石油燃料に対する不安が解消するでしょう。

充電時間1時間で300㎞の移動が可能になる電気自動車が開発されれば、一時的にせよ、その電池とモーターは充分、国家戦略の一翼を担うことが出来ます。

その電気自動車に使う、効率の良いトルクを生むモーターには強い磁場と磁力が必要です。
その強い磁場を発生させる磁石合金は、通常、鉄とレアアースのネオジウムから作られますが、磁石は温度が上がると磁力が失われる為に、ジスプロシウム(dysprosium)を添加して耐熱性を高めます。
電気自動車用のモーターにはこのジスプロが重量比で6%~7%必要なのです。
同時にこの磁力を発生させるためにも電気が必要なわけで、様々な電池の開発研究がされていますが、何れの電池にも言えることは、こちらの方も電極などに使うレアアースの存在が不可欠です。
しかし現在の所、日本には独自のレアアースの採掘施設がありません。

ジスプロに至っては、その9割が中国から輸入していました。しかも、その価格は1キロあたり645ドルですから極めて高価です。

しかも2010年。中国は漁船を日本の巡視船にぶつけた犯罪者逮捕の外交カードとして、レアアースの対日輸出を止めるという横暴ぶりを示しました。

しかし、この中国の横暴は日本にとって吉兆でした。
日本企業はチャイナリスクを目の当たりにして危機感を募らせ、フランス、ベトナム、エストニア、カザフスタンなどに輸入国を多様化しました。また、オーストラリアからは大規模鉱山の採掘権を獲得することに成功したのです。

そして、2012年の6月には東京大学大学院の加藤泰浩教授(地球資源学)らの研究グループが、南鳥島の南西約300キロメートル、水深約5600メートルの海底の泥に最大約1700ppm、平均約1100ppmの高濃度でレアアースが含まれることを突きとめたのでした。

「レアアースを含む泥の厚さは、現在確認できるものとして10メートルほど」(加藤研究室)あり、濃度や層の厚みなどから推定されるレアアースの埋蔵量は約680万トンで、日本が1年間に消費するレアアース(約3万トン)の「約220年分が見込める」といいます。この加藤研究室と共同開発してきた三井海洋開発と三井物産は、採掘の技術開発は十分可能。と発表しています。

そして2013年11月 ついに、昭和電工が、レアアース(希土類)の一種であるジスプロシウムを使わないモーター用の磁石合金を開発しました。

ジスプロフリーの磁石の開発は、需要規模がさらに大きい産業用ロボットなどの一般産業用に応用範囲を広げるもので、画期的な開発といえます。

それだけではありません。輸入量が減るということは、需給緩和による価格低下も見込めるほか、原料調達リスクを緩和する上でも威力を発揮すると思われます。

現に中国は2003年のピーク時、7万4千トンの輸出をして、戦略資源と位置付けしていましたが、2012年には1万6265トンに減少しています。

前年比でも66%減の9億600万ドル (日本円で約800億円)という凋落です。
日本が買わなければ、戦略資源もへったくれも無いということです。

私は、地球の資源をただ採掘して利益を上げるだけの産業や国家は、必ず廃退する日がやってくる。と考えています。

その全ての資源は、たまたまそこに存在していたのであり、持ち主は地球であり、しかも有限だからです。「神が我に与えたもうた」などと理屈づけるのは傲慢の極みというしかありません。

鳩山由紀夫氏は、「日本は日本人の為のものだけでは無い」と言って、心ある人々から愛想をつかされましたが、もし彼が言葉を替えて 「地球の全ての資源は全地球に生を受けるものすべてのもののためにある」と言っていたならば、彼の評価もずいぶんと違ったものになっていたのではないでしょうか。

このままではいつか必ず、 この美しい地球を守る為に、人類を絶滅させる宇宙人がやってくるのではないか。 と キアヌリーブスの「地球が静止する日」を見たときからワクワクしています。