今日の御紹介は「城崎温泉 まんだら湯」なのです。
<スーパー銭湯度☆☆☆☆☆>
さて、ワタクシのブログによる城崎温泉外湯巡りも、遂に最後の御話と
なりました。ここまで御付き合い頂いたオマエタチ、皆々様には感謝と
共に「オツカレッス!」の言葉を御贈り致します。
ブログ城崎温泉外湯巡り、最後の御紹介となるのが「城崎温泉 まん
だら湯」なのであります。
「まんだら湯」には☆5つを付けました。と言いますのも現代の温浴施設
の正しくベンチマーク的な存在であると思うからです。都会のスーパー
銭湯では類を見ない「仏教」というコンセプトに基づいた温浴施設で
あるからなのです。その「まんだら湯」の由来でありますが、温泉寺の
開祖である高僧「道智上人」が、天正天皇の時代、717年(養老元年)
に城崎の地を訪れ、難病の人々を救うために曼荼羅一千日祈願そして
難行を行ない、そうして一千日の満願の日を迎えた養老4年に、現地
から温泉が湧き出たとの言い伝えがあり、鴻の湯、御所の湯とともに
城崎温泉の発祥とも言われているのです。
よって「まんだら湯」は「一生一願の湯」としても名高い御湯なのです。
また、「まんだら湯」に祀られる曼荼羅稲荷大明神は田の神、食物の
神であり、五穀豊穣と商売繁盛に御利益のある御湯とされています。
さて、鴻の湯を出て「まんだら湯」を目指すのですが、一旦、湯の里通り
に出て散策ガテラ、まんだら湯に行くこととします。
城崎温泉街でも1、2を争う賑わう湯の里通りですが、立ち寄りの観光
客で賑わう駅通りが、夕方に近づくにつれて徐々にヒッソリとしていく
のとは対照的に、この湯の里通りは夜に差し掛かるにつれて、輝きを
増したネオン街へと変わって行きます。城崎温泉の宿泊客が下駄を
鳴らしながら浴衣姿で、ソゾロ歩く風景が現れるのです。
そんな夕暮れ時のネオン街からは想像もできない、ヒッソリとしたエリア
は湯の里通りから、老舗の温泉旅館が立ち並ぶ隙間の通りを入れば
スグに辿り着くことができます。城崎町の文芸会館から続く、その光景
は「まんだら湯」に差し掛かる小橋まで続きます。それが「木屋町通り」
であります。御昼間は大師山のナダラカな稜線を背景に、王橋を過ぎた
辺りから急に小川になる大たに川の畔が、形容しがたい鄙びた風情を
映し出す木屋町通りですが、一旦、夜を迎えると人通りがほとんど無い
寂れた空気を漂わす通りに変わるのです。
その小川になる大たに川の畔の「まんだら湯」へと続く小道は、ひと気
が無いこともあってか「まんだら湯」の霊験アラタカな「気」が漂うような
シーンと張り詰めた空気さえ感じられることができるのです。
そんな夕暮れ時、最後の外湯となる「まんだら湯」へは、城崎温泉を
訪れるまで、まみれていた世俗の煩悩や穢れを、6つの外湯で清めて
その仕上げとして「一生一願の湯」に抱かれることで、「禊」を成就し、
新たな明日へと向かいたい、という思いで目指すのです。
そんな精進な心持で「城崎温泉 まんだら湯」へと到着します。
建屋外観は正しく寺院そのものであります。入口に御清め水の御手水
と柄杓が置いてあります。本来の神社仏閣への御参りならば、ここで
手と口を御清めするのですが、するか、しないかは利用者次第であり
ます。ワタクシは御清めしました。ですが御風呂に入るだけですから
ねぇ~建屋外観の壮大な寺院造りの門構え、純潔の白さを誇る白壁
の造りから館内空間を想像すると、その期待は見事に裏切られるの
であります。早速、館内に入ってみると、自動扉のスグ左手に受付が
あって、右手は下駄箱スペースと2~3人が座れそうな長椅子があり
ます。そして玄関フロアから脱靴にて御風呂場に行くのですが、スグ
目の前が男風呂と女風呂の暖簾入口になっています。
そうして、その真ん中に鎮座するのが開祖 道智上人の御像であります。
ですが、これ等が配置されたスペースは広くありません。前述の長椅子
も御風呂上りにユッタリとクツログ、というよりグループで御風呂に入って
先に御風呂から出た人が、御連れの方を待つ的な待機スペースライク
な椅子なのです。しかしながら本来の目的は御風呂でしょ!
イザ!脱衣所を経て大浴場へと向かいます。ところで寺院造りの外観
からは鄙びた、古びた感じは微塵も感じ取れません。と、いいますのも
他の外湯同様、平成の時代に「まんだら湯」もリニューアルを施されて
寺社の外観はキープコンセプトのままで平成12年に生まれ変わったの
であります。リニューアルオープンによって新たな湯船が加わったとの
前情報もあって、期待を膨らませて大浴場へと向います。
まず、内風呂、湯船はシンプルに一つです。その内風呂の湯船を囲う
ように、周囲に洗い場が壁づたいにあります。
その内風呂湯船は大人で換算すると定員5~6名と言ったところでしょう
か。檜造りの湯船でして、城崎温泉の他の外湯と共通して湯船は深め
であります。そうして平成12年のオープンと共に新たに加わった露天
風呂へと行ってみます。
新たに加わった露天風呂ですが、これが秀逸です。残念ながら広くは
ありません。正直言って狭いです。露天風呂のあるエリアの広さは一言
で表すなら「個室」でしょうか。
内風呂から露天風呂に行くには、内風呂の奥にあるガラス扉を開けて
入ります。露天風呂の向こうは竹林になっています。大師山の丘陵が
目前に迫っていて、その斜面に竹林が見渡す限りの奥行きを持って
いるのです。そのシチュエーションの中、白木の板張りを張り巡らせた
建屋外観の白壁同様に清潔感のあるフロアがあり、直径2m程度だと
思いますが白木の「湯桶」が筒半分くらいの高さまで、床下にモグッテ
いるのです。この「桶の湯」は別世界なのです。
その「桶の湯」にそっと足を入れ、ユックリとユッタリと肩まで御湯に身を
委ねます。身体をユルメ、「桶の湯」のヘリにモタレて、天井を見上げる
と建屋2階相当まで突き抜けた、吹き抜けの天井が見えるのです。
そうすると露天風呂のフロア、白木で組み上げられた高床式建築風の
床が丁度、目線に来るのです。露天風呂エリアの周囲には、その天井
から簾が掛けられていて、イニシエの貴族のような優雅な気分で御湯
を、名湯 城崎温泉を楽しむことができるのです。
遥か遥か昔、苦しむ人々を救わんとされた道智上人が、思い描かれた
その曼陀羅の御湯は正に、この「桶の湯」の開放感と優雅さを持ち合わ
た御湯だったんでしょうね。本当に極楽であります!
しかし唯一の欠点は、その「桶の湯」が小さいことでしょう。大人が2人
浸かれば、膝と膝を付き合わせる恰好で御湯に浸かることになります。
一人占めして、ジックリと曼陀羅の御湯に身を委ねたい、そんなところ
ではありますが、あくまで公共の銭湯です。常に譲り合いの御気持ちで
御利用下さいませ!
露天風呂エリアからはガラス張りで内湯が見えるので、「桶の湯」待ち
の人の姿が見えたら譲り合いましょう。道智上人は何時でも見ておられ
ますよ!
<御気軽度☆☆☆>
料金は大人600円小人300円で、城崎温泉では安い部類でしょう。以前
は外湯は300円均一でしたが、それも昭和時代のことですし。
もちろん専用駐車場はありません。近隣に市営駐車場があるので、もし
空いていれば停めるほうがいいでしょう。違法駐車が厳禁です。周囲
の道路は狭く、市営駐車場等から徒歩で行くほうがいいでしょう。
城崎温泉街の散策には徒歩が一番ですし。
営業時間は御昼3時から夜11時です、遅めの営業時間ですので外湯
巡りは各外湯の営業時間を考慮して行くほうが良いですよ!
<レジャー施設度☆☆>
あんまり長時間滞在できそうな設備はなさそうです。フロントの椅子も
御連れさんの出待ち用、って感じですし。近隣には大師山の城崎温泉
ロープウェイや温泉寺、まんだら湯の横に極楽寺もあったりします。
どのように過ごすかは、オマエタチ皆々様次第です。
<城崎温泉観光協会-七つの外湯めぐり~まんだら湯~>
http://www.kinosaki-spa.gr.jp/infomation/sotoyu/meguri/onsen.html
参考及び引用サイト
豊岡市役所 温泉課 ホームページ
「集中配湯管理施設」
http://www.kinosakionsen-zaisanku.com/syuchu/03.html
「城崎温泉写真集」
http://www.kinosakionsen-zaisanku.com/photo/index.html