ここはこうすればいいのになぁ。
効率的じゃないよね。
なんでやり方を変えないんだろう?
・・・
下っ端の会計年度任用職員が、
いくら疑問に思っていても、
変えられないのがお役所の仕事です。
「前年通りで」
判で押したように、このフレーズが
守られているようです。
国民健康保険の係にいた時のこと。
人間ドックの申込書のフォントやレイアウトなどが、
失礼ながら、古臭く見えました。
国保番号、住所、氏名、生年月日のあとに
電話番号を記入する欄がありましたが、
「局」という文字があるんですよ。
固定電話の番号を、昔は例えば
123局の4567と言っていました。
懐かしい。
令和の時代になって
お客様に「ん?局?」と戸惑われることが
ありました。
他に余白がないものだから、
携帯番号を記入されるのに不便そうでした。
あるとき、先輩(年下でも先に配属されている方を
私はこう位置づけています)の会計年度任用職員さんに、
「この人間ドックの申込書の様式、変えられませんか?」
と言ってみました。
彼女も同じことを考えていたらしく、
「私も職員さんに言ってみたんだけど、人間ドックは代々
課長補佐の担当でね・・・補佐が前年通りでいいという
考えなら変わらないのよ」
ああ・・・そうなんだ。
私は思わず落胆のため息をついてしまいました。
「私たちに言ってくれれば、様式くらい作り変えられる
んだけど、それはダメみたい。さすがにこれは職員の仕事だから」
この会計年度任用職員の優田(ゆうた)さんは、学生時代の
成績はきっとオール5だったんだろうなぁと思うほど、
優秀な女性です。難しい業務もサクサクこなすので、
正規職員から一目置かれています。
しかし、仕事ができるからといって、職員の仕事の領域は
ちゃんと守っている。偉ぶらないところが私は好きなんですよね。
しかし、このモヤモヤは収まらんわー・・・。
というわけで、私は優田さんにまた聞いてみました。
「人間ドックの申請を受け付けた後に作成するカードが
ありますよね。アレ、どうにかなりませんか?」
「ああ、申込者が医療機関に持っていってもらう
はがきサイズの・・・」
「様式がプリントアウトされるだけで、
申込者の住所、氏名、生年月日など空欄じゃないですか。
スペースも小さいし、手書きするの正直年寄りにはきついです」
「年寄りって・・・さんきちさんまだ若いじゃないですか」
「(社交辞令)ありがとうございます。でも老眼なんで」
書き間違えたらまたやり直し(訂正印ダメ)なのよ。
忙しい時はますます嫌なのよ。
美文字が書けないから申し訳ないのよ。
私のプレゼン?に同意してくれた優田さんは、
ちゃっちゃとエクセルで様式を作り変えてくれました。
手書き部分にデータを引っ張るだけだから、いいでしょ。
何度かお試しでプリントアウトして、完成。
係の職員さんの中でエース格の八村(ハチムラ)さんに見てもらうと
「すごいじゃないですか!」
普段は物静かな八村さん、大絶賛。
「僕もね~手書きするの嫌だったんですよ~」
イケメンが破顔一笑。
「じゃ、これ採用でいいですか?」
「いいですよ。これくらい誰も文句言わないですよ」
「優田さん、すごいですね。さすが!ありがとうございます」
ヤッター!これでひとつ業務がラクになる!と
私がお礼を言うと、優田さんは
「いえ・・・私もずっと思っていたんです。でも、なかなか
言えなくて・・・。でもさんきちさんが言ってくれて、
それなら作ってみようかなーって・・・」
どこまでも奥ゆかしい。
真の賢い人ってこういう人のことを言うんでしょうね。
変化を嫌うのはリスクを負いたくないから。
でも窓口に出ている現場の声を聞いてほしい。
このささやかな改善は、とても嬉しいものとなりました。