本記事はTwitterの菁山房 琳阿弥陁佛(@ogatakourinpa)の#琳華集でのツイートの内、行った展覧会についての感想の呟きを手短にまとめたものである。
2023年5月に行った展覧会
春の優品展 古今和歌集を愛でる@五島美術館 5/5金
https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1654412534513041415
京都 細見美術館の名品 琳派、若冲、ときめきの日本美術@日本橋高島屋S.C.本館8階ホール 5/12金
https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1656939053546356736
吹きガラス 妙なるかたち、技の妙@サントリー美術館 5/13土
https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1657283517674586120
大学の博物館実習の見学に付き添う形で。
西遊@京都 5/18木~19金 図録購入
https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1658994650328485890
18木に親鸞 生涯と名宝@京都国立博物館、19金に真宗と聖徳太子@龍谷ミュージアムを観覧した。なお19金には三、四、五条あたりすなわち、因幡堂、仏光寺、錦市場、蛸薬師永福寺、誠心院、誓願寺、六角堂も巡った。
初日にみた親鸞展の図録は荷物になるかと思い、翌日買えばよいかと買わずに終わったら、実際翌日は雨で図録なんて持っていたら大変でその判断は正解だったのだが(ロッカーに預けるほどの量でもなかったし)、龍谷ミュージアムを出た時点で京博まで買いにいく時間がなく、結局買わずじまいとなったのであった。
折角なので余談をば。親鸞展で「善信聖人親鸞伝絵」(高田本)(三重・専修寺)が出ており、第五巻すなわち遷化、火葬、卒塔婆、廟堂の場面だったのだが、隣の大学生らしき男2人が話しながらみていた。関西弁で内容は軽妙で専門性があるわけではなかったので地元の大学生が授業の課題で来ているか何かだったのだろう。で、その高田本の最後に六角の廟堂(堂内に祀られた親鸞の木像が描写されている。周囲には供養に訪れた人々がいる)が描かれていた。私は事前に法然と親鸞 ゆかりの名宝@東博(2011年)の図録で予習していたし、その場で詞書を読んでいたのでそうと分かったが、その大学生はその廟堂の場面を生前の六角夢想と誤解して「六角堂の周りにこんな人おったんか。ここで寺籠りしてたら落ち着かへんやろ」と感想を零していた。場面を説明するキャプションがあればよかったのだがそういうものはなかった。親鸞の伝記絵巻は親鸞の筆跡と並んで本展における見所の一つだったのだが、絵巻の展示においてキャプションがあまりついていなかったのは何故なんだろうか。あえて作品に集中させるためだろうか。少しのことにも先達はあらまほしきことなり。
私の方がじっくりみていたので大学生は先に進んでいったが、再び「教行信証」をはじめとする親鸞の筆跡の部屋で追いついたのだが、とったメモを書き直す学生にもう片方が「親鸞みたいなことすなよw」と突っ込んでいた。要は生前に自身の文章に推敲や書き込みを続けた親鸞をなぞらえていったのだろう。
また、「歎異抄」のキャプションの「原本はなく写本のみが残っている」という旨に対して「へぇ、ガチ歎異抄は残ってないねんな」と話しており、私は腹の中で「ガチ歎異抄って何だよw」と突っ込んでしまった。要は原本=ガチということなのだろう。
この大学生2人とは別にまた思い出深い話をば。「三十六人家集」(西本願寺)が出るということでこれは崩し字を読むいい練習になると、出品リストの展示替えを確認して事前に国歌大観の該当家集のページをコピーして現地に臨んだのであった。最後から2番目の展示室でみんな疲れているのか素通りが多い中大観のコピーと鉛筆を携えてみていると、夫婦と思しき2人が寄ってきて「それは何を読んでいるのですか」と聞いてきたので、先述の経緯を述べたり「ちはやふる」(清正集第85首)の頭文字に「千」の崩しが使われていることを説明したりと、即席ながらささやかな講釈を垂れさせて頂いたところ「面白ォい…」と感心したように反応して下さって嬉しい限り。
龍谷ミュージアムは学生の来場者が多かった。他の学生らしき人々が受付で「●●(授業名カ)の方ですか」みたいなことを聞かれていたので、恐らく龍谷大学の大学生が課題か何かで来ていたのであろう。指の動きからして、みんなケータイでキャプションを丸写ししているようで「もう少し展示を楽しめばいいのにw」と思った次第。
みて分かる通り今月のメインイベントは西遊であった。来月は会期末ラッシュではないと思うが、そういう時こそサクサク展覧会を消化してゆきたいものである。何より祥啓展@神歴博は必ずや足を運びたい。
ちなみに13土と14日の両日に開催された公開研究集会「寺社縁起研究の新潮流―領域横断的・国際的研究拠点の形成に向けて―」(仏教文学会5月例会を兼ねる)@実践女子大学の内14日の方、すなわち公開シンポジウム「美術史から見た寺社縁起の展望―中央と地域の関係に注目して―」をオンラインで視聴したこと、26金~28日の3日間に開催された美術史学会全国大会@九州大学をオンラインで視聴したことを記録しておく。
行きたかった、話題になっていた展覧会
北斎と肉筆@鎌倉国宝館 3/18土~5/7日
重要文化財の秘密@東京国立近代美術館 3/17金~5/14日
特別公開 奈良・不退寺本尊聖観音菩薩立像@奈良国立博物館 3/21火~5月14日
大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101@泉屋博古館東京 3/18土~5/21日
金沢文庫の肖像―国宝 四将像全幅公開―@金沢文庫 3/31金~5/21日
河野館長傘寿の祝 饒舌館長ベスト展@静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本) 5/20土~5/28日
北斎展は恒例の氏家コレクションだが今年は正月から雛人形展が先に、氏家展が後に開催された。70周年記念の重文の秘密展は文化財指定の歴史を振り返るみたいなコンセプトらしいが、出品リストを見る限り普通の名品展という感じで食指が動かなかった。TLではそのコンセプトを生かせていないという評判もみられた。不退寺展は不退寺の観音立像の保存修理が完了したそのお披露目展。像高や作風の近い文化庁所蔵(奈良博寄託)の観音立像と対をなしていたと考えられており、今回は両者が揃って展観されていた。饒舌館長展は傘寿祝い。館長によるギャラリートークも20土、28日に開催予定だったが、美術館ホームページの27土のお知らせに明日28日のギャラリートークはご本人の体調不良により中止となりますとのこと。饒舌館長のブログをみると20土の方は大盛況だったようだ。
