本記事はTwitterの菁山房 琳阿弥陁佛(@ogatakourinpa)の#琳華集でのツイートの内、行った展覧会についての感想の呟きを手短にまとめたものである。

2025年12月に行った展覧会

 

しずおかの古仏たち@静岡市歴史博物館 12/7日

 

再々々訪:扇影衣香―鎌倉と宋元・高麗の仏教絵画の交響―@鎌倉国宝館 12/13土 図録頂戴

 後期展示。最終日前日の見納め。前期に増して頂相が多くなり渋い展示になっていたが、経行像も含めて多様な禅僧の姿をみられた。後期の白眉は建長寺の宝冠釈迦三尊像と山梨・一蓮寺の釈迦三尊十八羅漢像とが並べて展示されていたことだろう。ともに細やかな筆致と鮮やか色彩が魅力的であるが、中尊の立体感や獅子と象の照隈の表現など細部において異なる点がみられ、比較しがいがあった。

 

東博コレクション展@東京国立博物館本館 12/20土

 いわゆる常設展である。安阿弥様の阿弥陀如来立像(C-1860)、浄瑠璃寺伝来十二神将立像の申神像、慶算作毘沙門天立像、寛平御時后宮歌合が目当て。仏像はコピーした資料を携えて鑑賞しメモをとり、特に神将形は甲制を確かめながらみた。申神の彩色の残り具合がよいことよ。あと、文化庁所蔵の天王立像(12世紀、木造彩色)が本当によかった。造形は立派で、当初の彩色は鮮やかで、しかも金泥か何かの盛り上げ彩色による雲烟文や鳳凰文が配されており、「コレちょっとエグいなぁ」と思わず声が出た。あと、浄土寺の快慶作菩薩面が2面、埼玉・西光院の阿弥陀三尊像(安元2年・1176)とか。諸々詳しいことは手元のメモ、グーグルドライブに保存した写真をみるべし。

 歌合は国際日本文化研究センターの和歌データベースに翻刻(https://lapis.nichibun.ac.jp/waka/waka_i160.html)が載っているので、それをケータイでチラチラみながら読み、気になるところをチョロッと紙に鉛筆で書き写すという具合。確か冒頭から第130首の辺りまで巻子が開かれており全部読むには時間が足りないなと思っていたが、段々目が慣れてきてしまい練習にならなくなりしかも飽きてきたので、結局第30首で読むのをやめた。書跡は専門でも何でもないが、私の感覚において11世紀の字は12世紀に比べてシンプルな印象があって、そのため読みやすいかと思いきやかえって運筆が推測しづらいので読みづらく、また、残存数が少ないのか、12世紀のものに比べてお目にかかることが少ないので、こういう機会にまとめてみておきたかったのである。みせけちや翻刻との相違(データベースが何を底本にしているのかは記載なし)が原典に当たる面白さと大切さとを教えてくれる。あと、新収品展を2階でやっていたが、光琳の牡丹花肖柏一幅と鎌倉時代の彩色截金がよく残る小さい地蔵菩薩立像をサラッとみただけである。

 

死刑囚表現展2025@文京区民センター2階 12/28日

 上記の東博本館で今年の見納めかと思いきや、たまたまネットニュースでみかけたので足を運んだ。別段、廃止論者とか一家言あるわけではなく、普段はみられぬものをという野次馬根性。会場内は老若男女で、なかには長髪の男や子供連れ、真っ赤なボブ、緑のメッシュ、レモンイエローのぱっつんなど、奇矯な女がちらほらと。

 風間博子(埼玉愛犬家連殺)は猫や蛇のモチーフを紋様的にあしらった明るい色調のイラスト、何力(多摩市パチンコ店強殺)はパンダのイラストや翻訳付きの詩文、堀慶末(闇サイト殺人事件他)は色鉛筆による女性画。髪の長い女の朗らかな表情。奥本章寛(宮崎家族3人殺害事件)は俳画。本願寺派帰敬式云々。井上孝紘(大牟田連殺)は水滸伝に取材するなどした浮世絵っぽい絵画。何よりも植松聖(相模原障害者施設殺傷事件)の絵が、彫り師の修行経験もあってか上手い。ノートの見開きA4くらいの大きさ一杯に、蛇か何かを刃物で退治する武者絵のような極彩色。幕末に生きていたら歌川派の浮世絵師になっていたのかも。あとは高齢化社会や薬物に対する彼の主張やメッセージを記したイラストなど。山田浩二(寝屋川市男女殺害事件)はキャラクター化した自分のイラストに文章が添えられた便箋だが、これが600枚に及び、10枚ほどだけ掲示され、残りは10部ほどのバインダーに綴じられ、それを来場者が各々閲覧するというものだった。

 キャプションには作品名と作者名が書かれていたが、やった犯罪については書かれていなかった。誰が作ったかではなく、作品だけをみて欲しいということなのだろうが、とはいえ私も含めて、その場でケータイで事件について調べている人もおり、やはりどんな犯罪をしたのか配布資料でもいいので解説してほしかったように思う。

 

 随分と前から、たくさんの展覧会に足を運ぶということをしなくなっているが、来年以降もこれが続くだろう。こんくらいがちょうどいい。一応、この月刊美術報知は感想ツイートのURLを貼って集積するものだったが、次第にツイートの内容が薄くなり、段々ツイートしなくなり、今や報知に文章を書くことがメインになっている。この運用は今後なしくずし的に(原義を知ったうえで使用)変わるなり定着するなりすることだろう。

 そういえば奈良博は今年で開館130周年とのことで色々と気合の入った記念事業をやっている。特に記念誌(リーフレット)が充実している(https://www.narahaku.go.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/07/narahaku_130th_kinenshi.pdf)。必見である。

 ちなみに18木、19金に核P-modelの新譜記念公演 unZIP / 非コード人のアコード@Zepp Osaka Baysideをぴあライブストリームにて視聴したことを記録しておく。

 

 それにしても年収めが死刑囚の描いた絵になるとは。彼らの嗜んだ詩文をみていたら、ふと思いついた一句。

 

   罪深き あなたは何を した人ぞ   菁山

 

 それじゃ、よいお年を!

 

行きたかった、話題になっていた展覧会

 

ナシ