本記事はTwitterの凜花(@ogatakourinpa)の#琳華集でのツイートの内、行った展覧会についての感想の呟きを手短にまとめたものである。

 

2018年9月に行った展覧会

 

建築の日本展@森美術館 9/7金

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 古代から現代の日本建築を模型やインスタレーションなどによって展示。意外とボリューミーで全てをつぶさにみることかなわず、だいぶ駆け足。冒頭の東大寺南大門の断面模型で大仏様の構造を体感した。

 

禅僧の交流@根津美術館 9/12水

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1039815174901751808

 

 前半は日中の禅僧の交流を墨蹟でみせる。後半は詩画軸だが東国での水墨画壇の様相が面白い。禅、墨蹟とだけあって渋いが、さすが、手堅い内容で、東国の水墨画の部分は、手狭ではあるものの流れがありとてもよかった。仏像の部屋は地蔵菩薩像が三体。どれも藤末鎌初のものだが表情の違いを面白くみた。

 

ミケランジェロと理想の身体@国立西洋美術館 9/12水

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1039804909888012288

 

 タイトルにミケランジェロとあるが、前半はギリシャ・ローマ彫刻がルネサンスに与えた影響について両者を比較しながら展示されていた。西洋美術に明るくない私でも愉しめた。後半はミケランジェロの独壇場だったが、時間がないのもあってかあまり印象に残らなかった。「ラオコーン」の躍動感あふれる造形がよかった。

 

「回=回」大阪公演 一心寺 四天王寺 9/15土、16日

 

 核P-MODELのライブ「回=回」の大阪公演の二日目に参戦。翌日、かりそめほどの観光。一心寺と四天王寺へ。

 

歌川広重@太田記念美術館 9/24月

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1044235027213561858

 

 広重の画業を初期から晩年まで総覧する。風景画のみならず花鳥画、戯画などジャンルごとの展示構成が分かりやすい。空の微妙なグラデーションや画面の空気感を表すのが巧みであった。

 

シネマ歌舞伎 海神別荘東劇 9/25火

 

 一週間だけの上映期間のために急遽みにいった。

 

春日権現験記絵三の丸尚蔵館 9/27木

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 鎌倉絵巻の名品の修理完成記念。大和絵、風俗史料としても極めて価値がある。活き活きとした人々の描写、修理でよみがえった目がさめるような大和絵山水の鮮やかさ、大河ドラマをみるようなパノラマは必見。

 

京都・醍醐寺 真言密教の宇宙サントリー美術館 9/28 金 図録購入

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1045599257384771584

 

 ゼミの見学会で行ったが、その後の授業が休講だったのでマイペースに鑑賞した。前半は仏像と仏画を中心に、後半は文書と障壁画を中心に醍醐寺の歴史、美術を展観する。美術史の人間なので後半は見劣りした感があったが、TwitterのTLでは史学系の人々が後半の文書にときめいており、分野の違いと自分の見識の狭さを思った。前半の密教、修法の展示は仏像、仏画、白描図によって「かたち」を追う美術史へと鑑賞者を導く。さまざまな図像の不動明王が一度にみられるよい機会。10世紀の仏像が多かったが、それぞれ作風が異なるのが面白かった。後半は朝廷や足利幕府と結びついた僧たちの書状が並ぶ。後期も行くつもりだが、図録で予復習してみにいくとより愉しめるかもしれない。最後は桃山時代、狩野派と長谷川派の障壁画が三枚ほど。あまりよさが分からなかったが、「調馬図」の軽やかにして細やかな描写は、今思うと良かった(ただし前期展示のみなのが惜しい)。障壁画も要予復習である。

 

 後期が始まるので九月はバタバタであまり美術展に行けないかと思っていたが、案外行けた。大阪行と海神別荘は美術展ではないのでともかく。醍醐寺展はきわめてよい展覧会だった。10世紀の仏像をまとめて観られる機会で僥倖。

 八月は回れた美術展が数少なかったのでその挽回もあってか、意外と回れてよかった。今年下半期で注目すべき仏像展―東博、三井美、サントリー美―の三拍子が揃い始めたので、いよいよ愉しみである。芸術の秋ということもあってか、いい展覧会が多く、全てを回り切ることは難しそうだが、最善を尽くしたい。

 

 

※大阪行、海神別荘の記事は今後作成予定。それができしだい報知にリンクを貼る