本記事はTwitterの凜花(@ogatakourinpa)の#琳華集でのツイートの内、行った展覧会についての感想の呟きを手短にまとめたものである。

 

2018年6月に行った展覧会

 

琳派―俵屋宗達から田中一光へ@山種美術館 6/2土

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1002841998410174465

 

 サブタイトルの通り宗達から現代にかけての琳派の系譜を観る。抱一「秋草鶉図」にたなびく秋の情緒は秀逸。其一「牡丹図」では中国絵画にも肩を並べる描写力に驚いた。御舟「翠苔緑芝」は濃厚な琳派風とモダンが同居している。

 

宋磁 神秘のやきもの@出光美術館 6/9土

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1005452530233458690

 

 30分しかいられなかったので感想もなにもないのだが、中国の気品ある焼き物に後ろ髪を引かれながら、大学の日本文学科春季大会へ急いだ。

 

記録された日本美術史@実践女子大学香雪記念資料館 6/15金

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1007645575389442048

 

 相見香雨、田中一松、土居次義ら三人の美術史学者の調査ノートを展示。作品を克明に写し取ろうとする熱意が感じられた。

 

大名茶人松平不昧 お殿様の審美眼@三井記念美術館 6/16土

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1007918855757283328

 

 不昧が記した茶道具目録「雲州蔵帳」に記された道具を並べる。油滴天目、井戸茶碗など質の高いものばかり。後半は不昧がプロデュースして職人に作らせた不昧好みの品々。古典作品を復刻、翻案したものが多い。原羊遊斎や酒井抱一の名前も。不昧の業績が広く分かる展覧会だった。

 

浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして・・・@町田市立国際版画美術館 6/17日

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1008280057565986816

 

 大正昭和の新版画を女性、風景、役者、花鳥に分けて展示。橋口五葉、伊東深水、川瀬巴水、吉田博らビッグネームが並ぶ。モダンでなまめかしい女たち、風景画では空気感と時間の経過を満々と封じ込めた吉田博が傑出、花鳥画は博物学的に写実を求めた作品が多い。他にも近代版画の諸相が観て取れて興味深かった。

 

はじめての古美術鑑賞―漆の装飾と技法―@根津美術館 6/21木

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1010900044059271174

 

 漆の作品を技法別に展示。彫漆の屈輪文が面白い。近代の漆芸品も展示されている視野の広さが嬉しかった。近代とだけあって葉に陰影がついていたのが印象深い。同時開催「茶道具の銘と和歌」では和歌を通して茶道具を味わう。

 

再訪:琳派―俵屋宗達から田中一光へ@山種美術館 6/29金

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/1012908131121184768

 

 ゼミで後期展示へ。やはり抱一と其一を堪能。抱一「月梅図」の枝振りが堪らない。

 

 琳派展は手堅いとはいいがたいが、山種らしく手軽に琳派を愉しめる。不昧展は油滴と喜左衛門を観られたのがよかった。やはり大名物は違う。モダーン展は近代版画がよく集まっており、版画美らしい手堅さ。根津美の「はじめての古美術鑑賞」シリーズはこれからも続いてほしい。

 そろそろ夏休みが近づいてきたが、糸のみほとけ@奈良博が愉しみである。遠征のために宿をとらなければ。夏が終わればすぐに大報恩寺展@東博がやってくるだろうから、早め早めに予習をしておきたいものだ。