毎年、大晦日になると今年の美術展ベスト10など、その年の美術展巡りを総括するツイートがTLに流れてくる。しかし、これをツイートするために一年間で溜まった美術展のチラシ全てをさらうのだからなかなか骨が折れる。ということで今年から、月に一度その月に行った展覧会に対する所感を手短に述べてしまおうということで、「月刊美術報知」を立ち上げた。こうすれば年末の総括がだいぶ楽になる。Twitterの凜花(@ogatakourinpa)の#琳華集でツイートしたものを手短にまとめていこうと思う。

 

2018年1月に行った展覧会

 

博物館に初もうで東京国立博物館本館 1/5金

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/949662130034233344

 

 美術展巡りはいつもここから。京博「釈迦金棺出現図」を東京で観られたのは幸運。ドラマチックな画面に魅了された。玄証「十六善神図像」も印象深かった。というのも快慶展で彼の執金剛神像が展示されていたからである。戌年とあって犬をモチーフにした展示もあった。屏風や掛軸のイメージばかりだった酒井抱一「洋犬図絵馬」を観た時は意外だった。トーハクの幅広いコレクションには毎回驚かされる。

 

墨と金根津美術館 1/10水

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/951830010008035330

 

 サブタイトルに「狩野派の絵画」とあるが、拙舟(雪舟)や芸阿弥の作品に始まり、元信、探幽以後、山雪の作品など、企画展ゆえか数は少ないが、優品が並ぶ。狩野尚信「山水花鳥図屏風」は余白が広く墨も掠れる程度の最小限、しかしそこから渺々と想像が広がるのが面白い。去年のサントリー美「狩野元信展」の後日談のような面もある。少数ながら粒ぞろいの展示であった。新年恒例の百椿図は再訪でじっくり観たい。

 

国宝雪松図と花鳥三井記念美術館 1/14日

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/953273924007075840

 

 サブタイトルは「美術館でバードウォッチング」。三井家には鳥好きが多かったので鳥をモチーフにした作品を展示。渡辺始興の「鳥類写生図巻」は後世に影響を与え、応挙も模写した。一羽を数パターンのアングルで描いたり、彩色についての書き込みも観られた。

 

北斎とジャポニスム国立西洋美術館 1/25木

https://twitter.com/ogatakourinpa/status/959592393879126019

 

 北斎漫画など北斎作品とそれらに影響を受けた西洋美術作品を交互に展示する。ガレなど工芸品もあり幅広い展示。アイリフ・ペーテシェンの「夏の夜」は冴えわたる空気が感じられ印象深かった。アンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」はうまくオマージュできていると思った。ただ展示方法などはやや不満。

 

 テスト期間もあってか1月は4つしか回れなかった。現時点でまだ行ってない展覧会で楽しみなのは、仁和寺展、金文の運慶展、雪岱展である。関連書籍もあるので予習してから足を運びたい。