『約束の森』 沢木冬吾 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

約束の森/角川書店(角川グループパブリッシング)
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警視庁公安部に属していた奥野侑也は、

妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。
以降、人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から
北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。
そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹の番犬だった…。
――――― 「BOOK」データベースより


個人的評価 : ★★★★☆


マクナイト!
2段組で長い話なんだけど、すべて読んで残る印象となると
何たって一番はマクナイト。


前半と後半で少し印象が違った気がしてしまったような。


奥野は家族を亡くし、職を失い。
「若い男女」の方はそれぞれ過酷な状況を生き抜いてきて
色んなものを失くしたり、そもそも持たせてすらもらえなかったり、と
みんながそれぞれに大きな、深い傷を抱えて集まった3人。


「傷ついた一匹の番犬」マクナイトもあまりに可哀想で。
モウテルに暮らすようになって原因も、
そこに捨て置かれてから奥野に救ってもらえるまでの環境も。


そんな3人と1匹が少しずつ傷を癒して

関係を築いていく様子の前半が好きだった。


という前半と少し印象が違った後半。
奥野たちが集められた目的でもある組織。
それら組織と奥野たちとが命がけでのぶつかり合いが。

敵対組織がどう片付くのか、奥野たちは無事に切り抜けられるのか、
ハラハラしながら一気に読んだし、

その雰囲気の違いも嫌いではないけれど。


で、最後はやっぱりマクナイト。
マクナイト……!