- ノーマジーン/ポプラ社
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「シズカの背中を押すためにぼくはきたんだ」
車椅子で生活をする鞄職人のシズカと、
純真無垢なサルとの凸凹な“ふたり暮らし”。
一日一杯のミルクをわけあい、
収穫を待ちわびながらリンゴの木を育て、映画を見る約束をする――。
しかし、隠された彼の“秘密”が明かされるとき、
物語は終わりとはじまりを迎える……。
赤毛のサルの正体は?
そして彼が現れた目的とは?
ミステリー界の旗手が描く、渾身の衝撃作!!
世界が終わっても、ずっと一緒にいるよ。
終末論が囁かれる荒廃した世界で孤独な女性のもとに現れたのは、
言葉を話す不思議な赤毛のサルだった――
ひとつ屋根の下、奇妙で幸せな一人と一匹の“ふたり暮らし”がはじまる。
壊れかけた世界で見える、本当に大切なものとは――
不条理で切ない絆を描き出す寓話ミステリー
初野晴の原点回帰にして新境地!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
ノーマジーンが可愛い。
無邪気に一生懸命にシズカを慕って、向かって。
実は、最初は「好きになれないかも」と思ってしまったシズカ。
とても頑なな印象で、
ノーマジーンに対する接し方にしても意地悪というか何だか厭な感じで。
そんなシズカが、それでも一向に挫けないノーマジーンと
少しずつ心を通わせていくのにホッとして。
でもそんな彼らの背負う(背負わされた)ものはあまりに……。
孤独を選ばざるを得ないような、
自分で選ばなくとも周囲のあり様でそうなるしかないシズカの過去も今も。
ノーマジーンの正体、シズカの許に来る前に最後にやらされていたことも。
あまりにしんどくて、重くて。
こういう雰囲気も嫌いではない。
あのラストも。
でも、好みとしてはハルチカの方が好いな。
こちらは読んでいて少し疲れる。