- 檻の中の鼓動/末浦 広海
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乱歩賞作家が問う血と絆の功罪!
渾身の書き下ろしミステリー
警察を辞めデリヘル嬢の送迎に身をやつす中畑蘭子。
出産間近の体で客を取るアキナ。
二人の出会いと小さな命の誕生が、
鎖に繋がれた罪悪と希望
を引き摺り出す。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
末浦さんを読むのは4冊目だと思うんだけど、
今までに読んだその中では随分と読みやすかった。
読みやすくはあったんだけど、
「面白かったか」と問われると「うーん……」なんだよな。
「面白くなかった、つまらない」というよりは
「物足りない」という感じだろうか。
それぞれの登場人物はみんな相当ヘビーな事情を抱えてる。
ある出来事をきっかけに仕事も恋人も家族も喪った蘭子。
辛い目にあって、でも許されないことをして、
それをネタに脅迫されて客を取らされているアキナ。
手に仕掛けた喜びを失くし、その失意の中で再び希望を得て、
なのにその幸せまでもまた失くした濱川。
他にも風間もマコトも、
それぞれに大切な物をなくしたり失望したりと。
みんなそうやって色んな事情なり苦しみなりを抱えてるのに、
どうにもサラッと流れて行っちゃって。
子どものいる人だとまた違うのか……?
蘭子やアキナや濱川への見方だとか、感じ方だとか。
最初の数ページ、
そこでの助手席の警察官の行動が一番印象に残ってる。
最後まで読んでも、そのシーンを越えるものは見つからなかった。