- ROMES06 誘惑の女神/五條 瑛
- ¥1,995
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西日本国際空港で開催が予定されている『魅惑のジュエリー展』。
展示の最大の目玉は、純金の女神像。
だが、伝説的なテロリスト、
フランチェスコ・アウレリオを名乗る犯罪者の狙いは、
女神だけではなかった。
標的は、西空を守る世界最先端の施設警備システムROMESと、
その天才運用者・成嶋優弥。
十余年前、ROMES開発の裏で起きた裏切りの連鎖が、
今回の事件を招いたのか?
人ゆえの情と思いがけない行動に、ROMESと成嶋の知が試される――。
――――― 表紙袖より
個人的評価 : ★★★★☆
「ROMES開発の裏で起きた裏切り」、面白かった。
それが人間不信(というかシステムしか信用しない)成嶋を作った、
でなければその性質を固めたんだろうし。
その裏切りを招いた出来事、判断。
大きな組織や権力側がしたこと。
現実の世界において、絶対にない話ではないんじゃないか。
なんて思ってしまったりして。
最先端システム・ROMESの凄さというのは今回はそんなに。
相変わらずとても優秀なシステムだし、
砂村も知らなかった新機能を見せ付けたりで
アウレリオ一味を追い詰めるのにとても役に立ちもしたんだけど。
2作目ということでその凄さを知っていたせいか。
自称アウレリオとの闘いもあっさりな気もする。
ROMES(ヒンデル)との過去の因縁まで引っ張り出したり、
成嶋の学生時代のことまで絡めたわりには。
だけど、それくらいは別にいいんだ。
なんたって人(と犬)が好きだから。
成嶋も、彼に振り回される砂村や他の面々も、ハルも。
リョウとタジリはな……。
計画通りに進んでいれば、2人は幸せになれただろうか。
新しい生活を始めたとしても、2人の未来に幸せというものが浮かばない。
タジリのしたこと(過去においてはもちろん、今も)はやっぱり酷いよな……。
あの人が「誘惑の女神」なのか。
最初に目にした瞬間は少し驚いて思わず笑っちゃったけど、
あの人たらしっぷり、甘やかされっぷりを考えれば納得か。