『赤い羊は肉を喰う』 五條瑛 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

赤い羊は肉を喰う/五條 瑛
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昔ながらの雰囲気が残る下町・八丁堀にある

弱小リサーチ会社に勤務する内田偲は、
単調だが平穏な日々を愛し楽しんでいた。
しかし八丁堀にはなぜか少しずつ不穏な空気が流れ始め、

犯罪が不自然なほど急増していく。
ほんの好奇心から原因を探る偲。
そしてついに知り合いの女子大生が失踪し死体で発見されてしまう…。
ナチス・ドイツに連なる大衆心理操作の恐怖、
そして人間の“愚かしさと愛しさ”を

精緻な筆致で描く鮮烈エンターテインメント。
――――― 「BOOK」データベースより


個人的評価 : ★★★★☆

3つ寄りの4つ。


ペンギン・ドミノだとか大衆心理操作だとかは面白かった。


今回ワタナベたちがやったこと、採った手段は正しくはない。
それは間違いなく絶対に。


けど、その根っこにある考え方や実験というのは面白かった。
面白かったという言葉が適切でなけりゃ、興味深かった。
ピンクの魚や街中に張られた赤黒の布や
制服や着る人を極端に選ぶ奇抜な服の意味。


五條さんを読むたびに言っているような気もするけど、
今回も人が素敵だった。
偲はもちろんだけど、高も喜久音も太郎も保坂も。


硝子を集める意味は早い段階で想像出来ちゃって、実際にその通りに。
そこに至るまでには太郎も笙も好きになっているものだから、
人を疑うことをしなかったり、

まんまと相手の思惑通りに動いちゃったりする2人に
ヒヤッとしたりハラハラしたり、「駄目だよ、馬鹿!」なんて思ったり。


バベルでのあの光景はとても映像的な気がした。
実際にそんなことが起これば大惨事だし、
そんなことを言うのはとても不謹慎だとも思うんだけど。